活動報告

金融アセスだより(第129回)

金融機関はパートナー

かつて私は、金融機関を「敵」以外の何者でもないと思っていました。銀行も商売で、取れる所からは取れるだけ取り、危なくなったら切り捨てる。そんなことは当たり前で、私はその「敵」をやっつけるために金融委員会に入って学ぼうとしていたのです。

金融委員会では衝撃を受けました。参加者は皆、金融機関を重要なパートナーと位置付けており、どうしたら金融機関との信頼関係を確立できるかを話し合っていたからです。そこで、先輩方の話を参考に、私も実践してみました。

リレーションシップバンキングを金融機関に申し出ると、こちらとしても融資したお金がどのように使われるのか知りたいと言って快諾してくれました。そして毎月、月次報告を元に打合せをしていると、金融機関の方から融資の提案もいただけるようになったのです。やがて私は、やるべきことをやってこなかった自分が金融機関を「敵」にしていただけなのだと思うようになりました。

信頼関係を育む

また、ローカルベンチマークをやってみると、思っていた理想とはかけ離れた自社の現状が見えてきました。自己資本率が悪く、マイナスになっていたのです。このような会社に対して、何とか解決策を見出し救済しようと金融機関がアドバイスしてくれていたことに気付きました。

今では思い描いたプランを金融機関に話し、本当に必要な設備投資かの最終判断をしてもらっています。それは、金融機関に断られたらやらないというのではなく、計画を見直し、やると決めたなら相当の覚悟を持って取り掛かることが大切だと思うからです。

一方で、金融機関が認めても成功しない事業がある中で、金融機関から認められない事業計画は、やるべきでないと今は思います。それだけの信頼が生まれ、私は金融機関をパートナーだと思えるようになってきました。

金融委員会では、事業性評価や事業承継についての学びの場をさらに充実させていく予定です。金融問題で困っている会員がいたら、ぜひ一緒に学んで、金融機関との信頼関係を築き、共に社業を成長させていきましょう。

(株)イワコーホーム  張 おさむ