労使見解の実践と人間尊重の経営
~経営指針づくりの根底
吉田 幸隆氏 エバー(株)
西尾張支部例会で行われた、エバー代表取締役の吉田幸隆氏による報告の概要を紹介します。
労使見解と向き合う
私が労使見解と向き合うきっかけになったのは、労務労働委員会に参加したことです。「労使見解」には8つの項目があり、同友会が推進している「人を生かす経営」こそが、同友会らしい企業づくりに他なりません。
経営者は経営姿勢を確立し、対等な労使関係を築き、生き生きと自主性と自発性を発揮する社員と共に、全社一丸体制を目指します。
社員の自主性を尊重
現在、自社で幹部を担ってくれている社員がいますが、以前、自分のビジョンが描けないから会社を辞めたいと申し出がありました。そこで、どうしたら「エバー」という会社や社員自身を輝かせることができるのか、そのために力を合わせて頑張ろうと話し合いました。
その社員から「引き続き働かせてほしい。だから、社長は頑張れる会社づくりを考えてほしい」と言われ、経営者の仕事を見つめ直しました。そこから、企業変革を目指し、付加価値の高い仕事を念頭に置き、人材育成と設備投資に力を入れて、社員が自分の力を発揮できるよう社内環境を整備し始めました。
現在、社員の自主性を尊重し、資格や検定の支援制度に取り組んでいます。様々な資格を取得する中で、「あんな先輩になりたい」と目標にできるような雰囲気が社内にできてきました。
同友会は答えを求める場ではありませんが、自社を良くするためのヒントはあります。それは各社で違い、聞いた通りに実践して成功することはほとんどありません。自分なりに解釈し、自社で実践していくことが同友会の「学び方を学ぶ」ということだと思います。