活動報告

名古屋第3支部合同例会(1月25日)

社員からの信頼の増幅
~本当の信頼とは何ですか

磯村 太郎氏  サン樹脂(株)

契約に基づく近代的労使関係を意識する必要性を説く磯村氏

「自分のことだな」

「社員からの信頼の増幅」とのテーマで、名古屋第3支部合同例会が開催されました。報告者にサン樹脂代表取締役の磯村太郎氏をお招きし、昨年に引き続き「人を生かす経営」の学びを深めました。

磯村氏は、「『三位一体経営』に熱心に取り組んでも、残念ながら会社を潰してしまう方がいるのはなぜか」と投げかけられた時、自らを指しているのではと感じたこと。そして「いくら会活動に励んでも、社員との関係が悪いと効果が無い」との言葉が今でも印象に残っていると、冒頭に話しました。

自社の継続・発展を念頭に、経営指針の作成や共育講座の受講、労使見解を受け経営姿勢を正し、新卒採用に取り組むなど、磯村氏は積極的に実践を続けました。その姿は会内でも注目され、報告依頼が相次ぐブームとも言える状態になります。しかし、その裏では、多くの退職者を出すなどの問題を抱えていたのです。

信頼に基づく労使関係

それに対し、アルバイト・高齢社員の入社を機に、分業体制や社員各々の特徴を生かした会社づくりを意識し始めます。また、新工場への移転から、取引先・地域からの期待を実感し、良い企業をつくる気概を思い起こし、組織体制の見直しを図りました。

結果、報告者依頼の再ブームとも言える状態になりました。しかし、こうした時ほど社内の課題が表面化するため、逃げずに正面から向き合っていくと、決意が示されました。

最後に、山岸俊男著『信頼の構造』から、信頼の定義を取り上げて、信頼性の高い人ほど、他人を信頼し、またされることが多いと話しました。グローバル化の進んだ現在ほど、信頼がより求められており、企業の自主的近代化とは、奉公人制度のような封建的でない、前述の信頼に基づく近代的労使関係を築くことではないかと問いかけ、実践と併せて共に理解を深めていこうと締めくくりました。

グループ討論では、「信頼を得るために今年1年何をするか」をテーマとし、信頼関係を築く土台である指針づくりや、社員と共に10年ビジョンを描くといった、具体的な実践目標が発表されました。

その後の地区を超えての交流と併せて、2年続けて「人を生かす経営」を深める、新年に相応しい例会となりました。