活動報告

私たちが目指す「働き方」とは?~イキイキと働ける企業づくり(4)

経営者の責任としての「労働環境整備」

林 康雄 広報部長、(株)林商店代表取締役

林 康雄氏

より良い労働環境へ

働き方改革関連法が今年4月より施行されました。しかし、ルールだけが先行しても働く人の意識が変わらなければ成果は上がらず、会社への不満が積もってしまいます。そのため、私は社員にとって納得できる働き方を見出していくことが先決と考えています。

自社では、「労働条件の見直し」「職場環境の整備」に重きを置いて取り組みを進めています。昨年、お客様企業からCoC(取引行動規範)の改正があり、今回の働き方改革についてはもちろん、様々な法令順守の徹底要請がありました。取引金額や会社規模にかかわらず、抜き打ち調査も行うとのことです。まず、全面的に制度を受け入れることを前提にした体制づくりが必要ということです。

昨今、業界内では様々な不祥事が発覚し、お客様企業からの要望は増すばかりです。私たちはその都度、少ない社員を動員して社内整備を繰り返すといった状態で、以前よりも残業が増えてしまいました。

『働く環境づくりの手引き』を参考に

こういったお客様企業の都合を優先しながらでは、社員の有給休暇の取得率はなかなか上がりません。また、仕事が早く終わっても定時に帰宅することをためらうなどの声が上がるようになったため、今春に中同協から発刊されたばかりの『働く環境づくりの手引き』を参考に待遇や労働時間の見直しを行いました。また、慢性的なコミュニケーション不足を補うため計画的に「対話」する機会を設けるようにもしました。

社内で現状を認識するだけでも、仕事の優先順位に変化が表れてきているように思います。仕事を通じての生きがい、働きがいは顧客満足度からではなく、これからも安心して働ける労働環境が土台とならなければなりません。

労働環境の整備は経営者の責務であることを認識しながら、就業規則の改正など段階的に取り組んでいきます。それが働く社員との信頼関係をつくり、本来目指すべき労働生産性の向上へ結びつくものと信じています。