金融アセスだより(第73回)
「選挙に行こう」
金融アセスメント法推進運動のきっかけとその後の成果については、先回の「金融アセスだより」(第72回)に藤田氏が書いていますが、全国同友会においても同友会の3番目の目的「良い経営環境をつくろう」を目指した一大運動でした。
この運動のプロセスの中で、「主体者である私達は政治に関心を持とう」と会員の意識が大きく変化していきました。その表れが、愛知同友会でその後2003年から取り組まれた「選挙に行こう」、自らの意見を積極的に国政に反映させようというキャンペーンでした。
2003年4月の統一地方選挙以降、国政選挙の度ごとに「公開質問状」を行い各政党の回答を全会員に知らせる、新しい政権に対する期待を会長談話で各マスコミに発表する、また最近では名古屋市長選や愛知県知事選において立候補予定者全員を招いての「政策シンポジウム」の開催など、今日までその活動が続けられています。
金融アセスから憲章へ
一方で、金融問題だけでは中小企業問題が解決しないという認識も生まれ、2003年より全国同友会で取り組まれたのが、中小企業憲章制定運動です。結果、2010年6月18日に「中小企業憲章」が閣議決定されました。
この憲章の「3、行動指針」(政府の具体的取り組み)の「6、中小企業向けの金融を円滑化する」の中で、「金融供与にあたっては、中小企業の知的資金を始め事業力や経営者の資質を重視」など、「リレーションシップバンキング」の考え方が取り入れられています。
金融アセス運動が今日の中小企業憲章の閣議決定の深源の1つともなっていることを私達は記憶に留めておく必要があります。
事務局長 内輪 博之