各支部で(第一、第二、三河)新会員オリエンテーション開催三河支部(9/25)
根と幹を学ぶそれが同友会
杉浦三代枝氏 スギ製菓
当社はエビ煎餅の製造メーカーです。創業して社員が一人増え二人増え、組織が大きくなり「会社としての経営をどうしていったらいいのか」という疑問にぶつかった時、同友会に入会しました。それまで「自分が一番」と思っていたのが、「俺よりすごい人がこんなにいる!」と思い知り、勉強しないとダメだと思いました。今は「池の中の鯉が育って三河湾に出て、太平洋へと泳ぎでていくこと」。そんな事を思っています。三河支部の活動方針は「自立・実践」です。会社の十年後のビジョンを確立するためには、経営指針を作らないと企業として二十一世紀に存続できません。私はビジョンや経営指針は木でいうと「根と幹」であり、就業規則と賃金規定は「枝」のように思います。根と幹がドッシリとして始めて木の枝が伸び、大きく育つのだと考えます。その根と幹を学べるのが同友会ではないでしょうか。同友会は「出席して、いくら」という会です。その学びの場が地区であり支部であり、名古屋の本部であり、各県の同友会の経営者仲間だと思います。同友会で学んだ事を自社で実践し、結果をまた会に返して頂きたいと思います。
【事務局・上田】
参加した新会員の皆さん(三河支部)
会長から紹介される第1青同の新会員
出席した新会員全員で記念写真
第二支部役員学習会九月二十日時代とともに深められる役員の役割
蓮見成男氏中同協事務局長
第二支部の今年度二回目の役員学習会では、中同協の蓮見事務局長を招き、全国の豊富な実例に基づき、「役員の役割」について報告していただきました。紙面の制約上、事例は省略させていただきました。以下は報告要旨です。
(編集部)
会活動は熱心しかし会社は?
同友会役員の役割を一言で表現するならば「同友会理念を実現すること」と言えます。「同友会理念」とは@同友会三つの目的の実現、A自主・民主・連帯の精神、B国民や地域と歩む中小企業めざす、という三つを総称しています。「同友会理念を実現する」とは、@同友会理念にそって会の活動を発展させる、A同友会理念を自社にいかし、企業を発展させることです。今では当たり前のことに思われますが、全国的にはっきりと意識されてきたのは80年代の後半からといえます。一九八九年、福島で開かれた第二十一回中同協総会の第一分科会では、中同協の田山元会長から「『役員になり、学び、企業が伸びた』といえる役員が増えることが同友会運動発展の保障だ」「こうした役員自身の経営体験が他の会員の感動を呼ぶ」という報告がありました。同じ分科会で大阪同友会の細川副代表理事(故人)からは「古い役員の中に会活動は熱心だが、学んだことを経営に生かしていない」という問題提起や、北海道の大久保専務理事からは、「経営者団体の発展の保障は、その構成員の経営が良くなることだ」などの指摘がありました。
同友会と共に発展する企業に
この時の総会議案の中で「同友会の望ましい役員像」が五点にわたり定式化され、二年後に発行されたパンフレット「同友会運動の発展のために」(改訂版)に収録されました。 このパンフレットの中では「役員は同友会理念の体現者として、会とともに発展する企業づくりに励むこと」が強調されています。それまでは役員の役割としては会運営に責任を持つということは強調されていましたが、あまり「自社をどうするか」という点での厳しい視点がありませんでした。八十九年の総会では「役員として学び、経営を発展させる」ことの大切さが言われました。九十年代に入り、さらに「どんな方向で発展させるか、つまり同友会理念をどう企業経営にいかしていくか」、今日で言う「二十一世紀型企業づくりを役員が率先して実践する」ことがよりはっきり求められるようになりました。このように「同友会の役員像」といっても、固定的なものではなく、時代とともによりその内容が深くなっているのです。
「何のための経営か」
さて先程、「三つの目的を実践することが役員の役割」と言いました。では「いい会社づくり」とは何かです。『同友会運動の発展のために』にあるように「よい会社」とは「企業理念が明快であり、社員が生きがいをもって働いている会社」です。つまり四年前の中同協総会での「総会宣言」で提起された「二十一世紀型企業」のことです。企業理念が明快であるとは、「何のために経営しているのか」を問われた時に、真正面から答えられるということです。言い換えれば、経営者としての生きがいがどこに求めているか、何に喜びを感じるのか、その会社の「めあて」がはっきりしており、社員が日常の仕事の中で、その「めあて」に従って、自然に体が動くようになっていることです。経営理念を考える上で、@時代の大きな流れを見据える、A経営者自ら本物を見極められる目を持つ、B自社の仕事が「人間」にとってどうなのか考えられる、この三つの点が大切ですし、役員同士で磨き合っていただきたいのです。
自分の仕事に誇りを
社員が生きがいを持って働ける企業にすることは、遠大な難しい課題です。「社員の生きがい」の大前提は経営者自らが自分の仕事が好きで、誇りを持っているかです。このこと抜きでは社員教育は成り立ちません。また「働く」ということを、社員が単に生活の糧を得る手段として考えるのか、それとも生きがいを得る手段として考えるのかでは、大きなちがいが出てきます。経営者は仕事を通じて、「社員が人間として成長・発展できる」土壌をつくる責任を持っていますし、そのことに挑戦しないと今後の企業の発展もないと思います。この点で先程述べた経営理念と結びつきます。教育学者が「めあて」と名付けているのは、企業で言うところの経営理念です。この理念をどれだけ社員と共有できるか、社員が自分の人生の中に落とし込んでいけるか、このプロセスが社員教育なのです。
仕事の社会的広がりを
ここで注意していただきたいことは、仕事の持つ社会性です。自分達の仕事がどれだけ実際の社会に役立っているか、体験を通して自覚してもらい、語ってあげることが経営者の大切な役割でもあります。今まで経営理念と教育の話をしてきましたが、こういう問題を役員が互いに役員会や研修会で点検しあう、この事が役員にとっても大切なことではないでしょうか。
「役員になって」グループ討論風景
同友会の同友会らしさ
三つの目的の第二番目は「よい経営者」になることですが、これは今まで述べたような「よい会社」づくりを実践するということにほかなりません。二十四年前の中同協総会(名古屋)で三つの目的が成文化されましたが、この過程で「二つ目の目的を入れるか、入れないか」の議論がありました。結果として入ったわけですが、この二番目の目的によって「同友会の同友会らしさ」を保障しています。他の経営者団体にはない、際立った同友会の特徴となっており、今になってその大切さがわかります。よく「トップの器が企業の将来を左右する」と言われますが、この「器」とは何でしょうか。経営手腕も当然のことでしょうが、「大きなごまかしをしない」とか「公私混同をしない」という「人間的な確かさ」のことだと思います。このことがあって始めて社員から人間的に信頼されるのだと思います。この点は、同友会で「よい経営者」という場合欠くことのできない視点です。
大上段に構えないで
三つの目的の最後は「よい経営環境」づくりです。まず役員の役割とし会の政策提言や要望に会員の実態と生の要望を反映させることです。他の経営者団体や同業組合でも役員として皆さんが活躍することも大切です。中同協前会長の田村さんは業界団体の代表として、同友会で学んだ経営指針作りを訴えたり、学ぶことを重視し、会議にグループ討論を導入したり、「自主・民主・連帯」の精神を広げることに努力しています。地域づくりという切り口から見ると、第一・第二の目的の実現を通して、地域作りに取り組むことがとても大切になっているのではないでしょうか。
では今日から役員は何をするの
最後にもう一度役員の役割について整理してみます。既に何度も述べてきましたが、まず企業づくりです。役員同士が互いに「胃袋に手を突っ込むくらい」に互いの経営について相互に点検しあうことが必要だとも言われています。全国的には、役員会では会運営についての議題は半分くらいの時間で済まし、残り半分は「役員自身の経営」についての課題の追求に費やすケースが増えています。役員自身がそこに魅力を感じ、参加することに楽しみを感じ始めています。第二には例会づくりです。実は一番目の役員相互の学び合いができてくるようになれば、自動的に例会のレベルは上がってきます。例会では報告者の問題提起を受けたグループ討論が「例会の命」といわれますが、役員の方はぜひ討論の中で、謙虚なリーダーシップを発揮していただきたいと思います。また同友会の例会は「問題を安易に解決する場」ではなく、「悩みの質が高まり深まる場」とも言われます。つまり「何でこんな問題に悩んでたんだ。もっと本質的な点ではこうなんだ」というように、視点を上げていく討議でありたいものです。三番目は同友会の方針をよく読むことです。全国には中同協総会の議案を社内研修に利用している会員もいらっしゃいます。嬉しい限りです。四番目、五番目は役員自らが率先して経営体験の報告をする、そして会員増強の先頭に立つことです。いずれも自らの経営が問われます。会員増強ではいわば「役員=同友会の商品」です。相手に入会を勧めに行って「同友会って・・・」と言われ、「私を見て欲しい」と。「三年前に比べ、自分も会社も確かにかわった。それが同友会だよ」と言って、入会を勧められるような役員になっていただきたい。六番目は皆さん忙しいとは思いますが、全国総会や全国研究集会などの全国の会合に参加していただきたいと思います。最後は事務局との連携です。すでに述べたように、同友会の役員は会活動に責任を持ち、企業経営に同友会を活かしていくという二つの役割を持っています。事務局も立場は違いますが、同じような役割を持っています。まず役員会で決められたことを一○○%以上やることと、会員の、特に役員の皆さんの経営がどうなっているのか、きちんと掌握していることです。事務局からの「社長のところの経営はどうなっているの」という問いかけと、役員の方からの「俺の会社をどう思う」といった担当事務局への投げかけが、より深い信頼関係を生み出していくのです。企業経営についての深い理解が事務局に求められる、そんな時代になっているのではないでしょうか。
【文責事務局・内輪】