一宮地区、守山地区合同例会10月28日
紙資源とリサイクルを考えた工場経営 大豊製紙轄H場見学北地区
扱う紙の大きさがよくわかります(工場内で)
大豊製紙さんの工場見学を行うにあたり、担当グループで四回に及ぶ打ち合わせ会を行ないました。訪問先はどんな会社が良いかから始まり、@会社規模や事業内容、A会社の所在地、B経営体験の内容などを検討し、和田専務の工場見学に決まりました。当日、三十一名の参加者が、用意したバスと乗用車に分乗して見学先へ向かいました。会場では二班に分かれ、社長と和田専務に説明を受け、工場の見学を行いました。工場ではダンボール用の原紙を作っており、ゴミ問題解決の最前線で、原料である古紙の置場、紙を作る工程、巻き取り工程、倉庫などの流れを見学しました。随所に、環境問題エネルギー費用、作業効率改善努力、生産性向上努力、低コスト化努力等の跡が見られました。無事工場見学を終え、報告会会場へ向かいました。
【和田専務の報告要旨】
一九七二年に入社し、順風満帆の時期を経て、苦境に突入しました。当社はチップボールや紙管原紙、石膏ボードの原紙などを生産していましたが、一九八四年より生産品目を中芯原紙、強化中芯に変更し、生産能力も拡大してきました。しかし、その結果一九八九年以降、累積が雪ダルマ式に増え、九四年には累損赤字が三十一億円あまりになりました。赤字は徹底したコストダウンによる限界利益の改善、一般経費や固定費の徹底的な削減、大幅な人員削減と業務管理体制の見直しなどによって、九七年一月期には、累積を一掃。千百万円の利益を上げるまでにこぎつけました。この時期に数多くの勉強会へ参加しました。この成果の一つが次のようなわが社の企業理念です。「皆の会社」@家族に自慢できる会社Aきれいな会社Bお客様あっての会社(詳細は省略)企業理念は会社の出発点です。新卒採用の面談の時、会社を説明する際、「企業理念がすべてです」と話しています。そして、これからは「女性が活躍する会社が成長できる会社」だと考え、女性社員(現在三名)をどんどん増員もしています。また、積極的に工場見学を受入れているのは「社員に刺激を与えたいから」からです。報告会の後の懇親会も、和やかな意見交換の上、盛況の内に終りました。参加者の中からは「大変ショックを受けた」などの声も出され、反響の大きな工場見学会でした。
タナカシンソー 田中義人
中区栄地区9月24日
21世紀を生き抜く提案型企業に三輪邦夫氏RE建設設計事務所
「私は会社をこうしたい」(三輪氏)
今年度の中区栄地区では、「私は会社をこうしたい」を例会のメインテーマにして、会員の経営上の目標や悩みを報告してもらっています。九月例会では、RE建築設計事務所の三輪邦夫氏に報告していただきました。
待ちの姿勢の業界で
三輪氏は一九五一年に名古屋市で生まれ、名城大学建築学科を卒業した後、一九八五年にRE建築設計事務所を開設。九四年からは東海女子短期大学の非常勤講師も務めています。
事務所の主な業務は、建物の設計管理、歴史的な建物の保存・再生調査などのコンサルティングや実施図面作成です。建築設計業界は競争が激しく、県内で約五千五百件もあり、過当競争の状態です。依頼がいつ来るから分からないうえ、施主との間に人間関係をせっかく築いても、同じ施主から再び仕事が来ることはないため、どうしても受け身にならざるを得ない業界です。
街並み調査なども視野に入れつつ
三輪氏は「待ちの姿勢」から脱皮するためには差別化が大切で、具体的には従来から手掛けている歴史的建物の保存や再生調査、地域づくりや街並み調査などのコンサルタント業務をより充実させて、将来、この分野でのトップ企業をめざしています。すでに桑名市にある諸戸西洋館の改修計画に参画したり、他の歴史的建物の改修、修復計画にも参加しました。これらで培った経験と技術を活かしたいと語ります。ただ、コンサルタント業務の場合、発注者は自治体であり、準備期間も一年以上を要するもので、一般の建築設計と異なり、非常に息の長いものになりますが・・・。報告後のグループ討論ではコンサルタント業務はサイトが長く大変であるうえ、どこまでの需要見込めるか要検討などの意見が出されました。「一般の企業にとっても得意な分野(専門分野)での充実が重要である」との認識をさせていただいた点で、非常に貴重なお話でした。
明和綜合法律事務所 植村元雄