営指針確立で"変化を飛躍に" 総会方針(素案)をどう企業で生かすか

鋤柄修潟Gステム(代表理事)
景況の急速な悪化のなかで
来年四月二十九日に開催される愛知同友会第三十七回定時総会の方針素案をお届けします。詳細は「同友Aichi」(一月号号外)をご覧いただければわかりますが、特に「会方針をどう自社で生かすか」について述べたいと思います。十一月末の愛知の景況調査では、業況判断を「悪い」とする企業の割合が四〇%まで達し、「景況感の急速な悪化、見通しも弱き」と報告書で特徴づけています。加えて九八年四月からの「金融ビッグバン」が進行する中で、銀行、証券、生命保険などの大改革は、私達中小企業の行く先に大きな不安感を投げかけています。
経営指針の作成と変化への適応
第三七回総会活動方針の中では第一に、「同友会運動を企業の総合力強化に」と述べており、同友会は「企業家が自己革新を通じて経営の近代化を実現し、社会的信頼を高めて、よりよい経営環境を実現しようとする経営者の会」だと続けています。そのためにはまず「経営指針の確立と実践」が必要であり、具体的には、@経営理念の確立、A経営方針の策定、B経営計画の作成をさしており、これらを提案するのが、「経営者の責任である」と断言しています。そして、経営指針成文化を同友会の三つの目的の具体的実践課題として、会の中心的な課題の一つとして位置づけています。
私達は経営の実践家であって、経営評論家ではありません。ですから一方では作成した経営指針を自社で活用する、またこれだけ変化の激しい時代ですので、時代とともに発展させていくことも、私達経営者の責任なのです。
「指針」「求人」「教育」は三位一体
経営指針を背景にして計画的な「求人」に取り組み、採用した人達を「理念」に基づいて育てる。このことが一貫していないと本当に「経営指針づくり」をしたことにはなりません。この事を方針の内では「三位一体」という表現をしています。ぜひ、会員企業で同友会に日常活動を通じこの事を学びとっていただき、「三年後に迫った二十一世紀に会社を発展させるぞ」という「実践者集団の誓い」を、実践していただきたいと思います。
第八回理事会報告(12月13日)
【討議事項】
議題(1)貸し渋りアンケートと景況分析の報告と今後の対策について
・全業種的に業況判断DI値が過去最低のマイナス値に。銀行のBIS規制早期是正によってますます「貸し渋り」が発生し、景況は厳しくなる。
・「銀行の貸し渋り」ではアンケート全体の約六割が、今後不安と回答。十二月十日に記者会見を開催。◎理事会として今後どうこの問題に対応していくか、討議され、以下の二点を確認。
@要望事項等のアクションを早急に起こす。
A具体的内容を政策委員会で原案をまとめ、総務会確認の上、実行する。※アンケートは本紙八面
議題(2)来年以降の「あいち経営フォーラム」開催
◎今年のフォーラム進行状況は一月末に全分科会のテーマが決定するよう進行中であり、その経過によって分科会の減少もある。
◎次年度は開催しない。
◎今後の「フォーラムの在り方」については検討プロジェクトを開き、検討していく。
議題(3)第三七回定時総会議案について
◎総会議案の活動方針素案とその基本的組立が提案され、今後、各支部等での討議を重ねていく。
◎活動経過、情勢も順次提案していくことを確認。
議題(4)「事務局活動改善提言」について
◎次回理事会で再討議。
議題(5)会費問題の方向性・財務委員会より経費節減計画(案)を提示。次回理事会で討議。
【報告・承認事項】
◎国民金融公庫との懇談会(12/8)報告。
◎学習障害児の会「全国LD研究会」を愛知同友会として後援する。
◎役員研修会の日程・正副支部長と委員長研修一月二十四日(土)・地区会長研修会二月二十一日(土)
◎入退会承認●入会者一六名●退会者二名●現会員数二二二八名
【文責・福島】
「私と同友会」(22)
自然に出てくる解放感

長倉喜一鞄圏m工機(名誉会員・会歴32年)
「どうゆう会か分ってから」
私が板金加工機バイブロシャーを作るために、一年余り居候をさせて貰った会社の工場長が今井保さん(故人)で、偶然にも私の母校浜松高校機械科の十二年の後輩でした。それから数年過ぎ、今井さんも私もそれぞれ独立し、工場を持ったある日、今井さんから、名古屋中小企業家同友会(当時)設立の話がありました。その時は「"どうゆう"会かよく分からないから、分かってから入る」と言うのが、私の返答であったと思います。それが三年後の一九六五年、結局よくわからないまま、自然に入会となりました。当時の事務局は名鉄名古屋球場前駅の近くにあり、仲野正事務局長が女子事務局員と二人で頑張っていました。
全国一の愛知同友会
私の所属した第五地区の地区会合に初めて出席し、私が今まで経験して来た会とはちょっと違った会だと痛感しました。それは遠山昌夫さん(菊水化学工業梶E会顧問)の講演があり、まさに中小企業の進路を示してくれたからで、同友会の価値をあらためて見直しました。一九六七年秋、箱根で開かれた全国同友会代表者会議に出席し、初めて他の同友会の人たちを知りましたが、当時の愛知同友会は会員百七十五名で全国で最も多く、会活動も最も盛んでした。
二百名弱の会員で御園座を満席に
一九六八年一月の「第一回同友会まつり」も忘れられません。約二千席の御園座を二百名足らずの会員の努力で満席にし、前進座の「芝浜の革財布」の名演技を楽しんだものです。いつの間にか私も古株となり、遠山代表理事の後を受けて、江崎さん(轄]崎本店・会顧問)、二村さん(ニムラ鋼機梶E会相談役)、私の三人で代表理事をやらされました。前進座の吉祥寺劇場の新築に緞帳を寄付する割当が来て、私が担当となりました。予定の三百万円がただちに集り、皆さんのご協力には驚きました「歳月人を待たず」の通り私も八十四才となり、老人とは他人ごとだと思っていたのが、いつの間にか本当の老人になってしまいました。過去を語るは老人の常、以上思いつくまま同友会の思い出のまとめとして、同友会讃辞をいささか。
経営の基本を自然に教わる
田舎町に三十何年も住み、事業をどうにか続けていれば、色々な会に関係せざるを得なくなります。鉄協組、愛鉄連、経営協、商工会、商調協、交通安全協会、ライオンズクラブ、同窓会などなど、いずれのグループからも、人生教訓を貰っております。ただし、吾々中小企業経営者にとって、同友会は各グループ会とは違ったあり方をしてくれました。地区会にて自然に出てくる解放性は、正に同友会本来の姿と思います。中小企業の基本的な在り方をいつの間にか教わったこと、尊敬すべき多くの会員と知り合ったことは、まず同友会に感謝の意を表すべきと思っています。中小企業家同友会は、吾国の産業発展の為、なくてはならぬ存在になりつつあるとお考えになりませんか。