熱田地区(11月18日)
デジタルが会社を変える〜企画から印刷まで〜

近藤久修氏潟Tン&サン
世の中はまさしくデジタル化の時代です。コンピュータの出現により情報伝達の量とスピードは眼をみはるものがあります。今回、わが地区会員で広報委員長を長く務められた潟Tン&サンの近藤社長に報告していただきました。
デジタル化で業界が陶汰
近藤社長の会社は広告やポスターのデザイン会社です。これまでは手業でデザイン画を作成していましたが、ここ四〜五年の間に、マッキントッシュというパソコンにより作成する方法に一変。微妙な形や色文字までつくれ、写植や版下会社の必要がなくなってきました。新しい技術の出現によって業務内容が一変し、デジタル化の技術を持たなかった会社は陶汰されたのです。出席者は非常にショックを受けました。「新しい技術情報を知らないままでは、明日自分の会社がなくなるかも」「昨日と同じ事を行っていてはいけない」「世の中の技術革新の波と自社業界の変化を照合しあわせ、先手を打つべき」などなど、活発な意見が出されました。
ネットワークを自社ビルで実践
また近藤社長は「同友会のネットワークづくり」にも熱心です。古い事務所ではコンピュータがホコリに弱いので新事務所を建てられました。この時、思い切ってテナントの入居者には、建築・設計会社やソフト開発会社など、同友会会員に積極的に入居してもらいました。会議室やリフレッシュルーム、スタジオなどの共有スペースを設け、相互のコミュニケーションをはかっています。これは同友会活動に深く共鳴されている近藤社長ならでわです。
「心のビッグバン」
最後に近藤社長は、「我社は若い社員が多いが、彼らに仕事を任せて責任を持って行動させることが重要です。若い社員の行動を容認する様な経営者が広い心が必要です。それを経営者の『心のビッグバン』と呼んでいます」と、新しい言葉を使われました。私は非常に感心しました。「ビッグバン」は金融や技術は巷で言われていますが、それを実行するには各個人の考え方の変革が重要です。仕事を若い人に任せて教えながら育て、失敗を恐れず実行させる寛容の心を持つこと。つねづね必要であると思っていましたが、それを「心のビッグバン」と呼ぶのかな、と思いました。近藤社長の斬新な考え方や行動力に感心し、一同が納得して例会を終えました。
且R本組山本清
知多地区(11月13日)
中小製造業の生き残る道がそこにはあった!
間瀬良博氏汲キみれハーネス加工
製造業の空洞化が叫ばれる中、すみれハーネス加工は着実に成長を遂げています。間瀬社長の報告の中には、製造業が生き残る為のエッセンスがちりばめられており、製造業のみならず、すべての経営者に参考になるお話でした。すみれハーネスは、創業以来徹底した「少量多品種」を貫いています。この「少量多品種生産」を支えるために、コンピュータを駆使した徹底した経営管理をおこなっています。
コンピュータと女性、そして現金の活用
その例を少し紹介します。@部品在庫のコンピュータによる管理少量多品種は、部品点数が多く、在庫管理のあり方で収益性が大きく変わります。「必要なものを必要なだけ調達する」という、コンピューターによる正確な在庫管理をおこなっています。A指示書、図面のコンピュータ管理約四千点の図面を約十秒で検索することができる状態です。少量多品種で利益を上げるには、スピードが大切。B取引きは現金主義すべての取引きを現金主義にすることでシンプルな合理的な事務ができる。とにかく余分なお金はかけない。C社員は女性ばかり会社の中には男性は社長の間瀬さんだけ。これは決して間瀬さんが「女好き」だからではありません。当然、生産性を考えてのこと。女の人は煙草を吸わない。煙草は生産性を低めるだけでなく、コンピュータやフロッピーにも害がある。働きやすいように、工場では部品などすべてパレットで移動、重量も十s以下に抑えています。
マイツールとお金に色を!
「コンピュータは自分で使わなくちゃ!」と間瀬社長。マイツールを駆使し、読ん字の如くコンピュータを「自分の道具」としています。肝心なのは、自分が使いやすいソフトは自分でつくること。いきなり業者に頼んでソフトを作るのではなく、手計算などでテストし、自分だけのソフトを開発しています。また「金銭感覚がないとだめ!」「お金に色をつけておこう!」とも語ります。間瀬社長は続けます。創業から七年間、営業、生産、経理、総務、すべてを自分一人でやってきました。おかげで金銭感覚、計数感覚に強く、常に損益分岐点、一人当たり売上高等を計画化しています。「お金に色をつける」というのは、「このお金を何に使うか」をはっきりと決めることです。小さいながらも、自社の方向性(経営戦略)をはっきりともってしっかりした経営にあたっている。そんな代表的な会社だと思いました。
竃シ南経営竹内靖