私と同友会24
今年こそ企業家の倫理が問われる

税田公道 叶ナ田建築設計事務所(創立会員・千種区)
時代の転換期に誕生した同友会
その年の七月六日、藤山愛一郎経済企画庁長官が池田勇人首相の財政政策を非難し、「経済成長より経済全体の均衡が大切」として辞任した三日後の一九六二年七月九日、名古屋中小企業家同友会(当時)が創立された。「国民所得倍増計画」を痛烈に批判した藤山長官の辞任はさほどマスコミに取り上げられなかったが、この年、日本の機械製品輸出額が戦後初めて繊維製品を抜いて「トップ」におどり出た年であった。工業エネルギーが石炭から石油に転換されたのもこの頃であり、以来、バブル経済が崩壊した一九九〇年までの約三十年間、日本経済はこの路線をひた走りに走って来た。
政策に意見できる中小企業団体に
創立総会に出席した覚えはあるが、趣意書も今は手元になく、決議した内容も定かではない。しかし前途に横たわる莫然とした不安が、出席者全員にあった事は確かであった。中小企業の経営者から見て、ともすれば大企業本位に傾く国の政策に対して、「タイムリー」に発言し、是正させていける団体になることが、設立時の仲間達の意気込みであった事を、今も鮮明に覚えている。
すべての人が自らの倫理を
昨今マスコミに喧伝されているこの国の旧い組織の行き詰まりの根源にあるのは、旧来の陋習にあぐらをかいて、変化する社会に対応する努力を欠いた事であり、何よりも倫理感の欠如であろう。今、同友会内で論議されている「経営指針づくり」にしても、根底に企業に携わる者の倫理が据えられてなければ、仏をつくっても魂が入らないという空念仏に終わるだろう。絶対神を持たない我国の多数が、果たして持たねばならない倫理感をどうつくり上げて行けるのかが、この国のすべての人々に課せられている課題であり、同友会の会員もまたしかりである。
指針作成の根底に企業の倫理を
最近、ローマ法王ヨハネ・パウロ二世は、ある野外ミサで、「資本主義は人を見えざる市場に隷属させる」と語りかけたと新聞が報じている。私達は今日、契約社会で生活しており、契約の精神、その基となる信頼の根源には、倫理が前提とされていることに注目しておかねばならない。この点に立脚して各企業の経営理念と指針が策定されるべきであって、この組み立てこそが、今、私達同友会会員と同友会の運動に求められている緊急な課題である。現在程、このことが求められている時がないことを痛感している。
第10回理事会報告(2/6)
◆会場愛知県勤労会館
◆参加二五名/三五名
【討議事項】
議題(1)第37回定時総会議案の討議〈規約改正案〉左記の点を承認。
@支部総会の項を新設。
A「支部委員」を「支部幹事」に改める。
B支部役員は「支部総会」で選出する。
C会の役員任期について「原則として二年とし再任を妨げない」とする。
○以上を平成十一年度(第三十八回定時総会)より実施する。
○また会の定時総会や支部総会で欠席委任状を必要としないことを確認。
〈九八年度の役員選考にあたって〉◎本紙二面の提案を承認。
〈総会議案〉
◎活動経過、情勢と展望、活動方針案の一部改正について提案。今後も意見をいただくことを確認。
議題(2)新年度予算編成☆財務委員会から九八年度の予算案を提案。
(意見)・機関紙のページ削除はすべきでない。
・インターネットの「電子掲示板」の新規作成など、予算増を。・地区活動を保障する会場費として一地区十万円程度は必要。
・運営費と活動費の割合、事務局も含めた活動改善のビジョンを明確にすべき。
・会費積立取崩しを増やし、地区の活動費用を増やしてほしい。
・事務局の会議室を返却してはどうか。(代表理事発言)
・財政難は「会員増強」が思うように進展していないことを認識すべき。
・事務局等運営費については、単なる予算上の問題だけではない。
・事務局の移転等については「事務局活動改善」の一環として進める。
・会費積立取崩しはなるべく行うべきでない。
・今回の予算(案)は単年度だけにしたい。
◎以上を踏まえ、以下の四点を承認した。
@事務所の第二会議室を返却する。
A会費積立金の取崩しの増額を検討する。
B支部(地区)活動援助金の再検討、会の広報関係(機関紙、インターネットの「電子掲示板」)も再検討し、三月理事会に提案する。
C長期予算検討の為のプロジェクトを発足する。
議題(3)「あいち経営フォーラム」について
◎あいち経営フォーラムについて、分科会内容と今後のスケジュールが確認された。
議題(4)新プロジェクトの発足にあたって
@事務局活動改善を九名のメンバーで再構成し、プロジェクトをスタートする。
A長期予算検討プロジェクトの担当総務が確認された。
【報告・承認事項】
@地域開発委員会の名称を新年度より「地域活性化委員会」と変更する。
A環境問題研究会の名称を新年度より「地球環境問題研究会」に変更。あわせてアンケート協力を承認。
◎入退会承認
●入会者一四名
●退会者二〇名
●現会員数二二二〇名
【文責福島】