98組識問題全国交流会(中同協−8/27・28)
活動改善に取り組んで愛知同友会6年間の実践より 「議して決する決して実行」役員づくり
鋤柄修氏(株)エステム(代表理事)
「地区をどうする」から出発した改善活動
愛知同友会では、今から六年前の創立三十周年に「リボーン」(再生・生まれ変わり)をテーマに揚げ、活動改善に取り組みました。当時、副支部長を務める若手経営者五名が中心になり、「活動改善プロジェクト」が発足。各自が「このままでは愛知同友会の将来はない」という危機意識を持っていました。集まってから二年程は、各人の同友会への想いや目的を共有するという「ベクトルあわせ」の為に、随分と時間をかけたそうです。活動改善の当時の目的は、地区では同友会理念や運営原則が正確に継承されず、格差を生じ、その格差が拡大される傾向に対し、どうしていくかという点にありました。この為にも日常的に地区を支援していく支部の役割の明確化が求められました。しかし、議論を詰めて行く中で、理事会・常任理事会のあり方やそこでのリーダーの役割、そして委員会のあるべき姿など、さらには将来の五千名会員に耐えうる会組識のあり方などなど、根本的な解決策を迫られたのです。
各組織の役割を明確に成文化して
この五年間で様々な改善提案がプロジェクトから出され、昨年と今年の定時総会で規約改正が行われ、明文化されました。理事会は「決議機関であり執行機関」と位置づけられ、理事は各分野で「決して実行する」役員として、理事会は「議して決する」機関と明確に位置づけられました。また活動の重心を低くして地区活動を強化するという視点から、「支部役員会」は、「理事会の補助執行機関」として位置づけられ、今年三月、始めての「支部総会」が開催されました。一方、委員会についても「同友会運動のスタッフ集団」として、全会員を対象とした調査・研究・提言をする会のスタッフ集団として位置づけられ、「総務会」は「率先して会活動を推進する」全会的リーダーであることが明確にされたのです。
議して決する、決して実行する
厳しい経営環境が続く中で、会員一人一人の会への要望は一層多様化し、一層高まっている中で、いかにその要望に会として応えていくのか。また一方では同友会の理念を「自主・民主・連帯」の精神を生かしながらも、効率的に末端の地区まで浸透させるか。「動脈硬化」を起こした組識をいかに風通しよくするかなど。愛知の選択は、「議して決する、決して実行する」リーダー育てにあったと思います。「活動改善プロジェクト」のメンバーは自らの出した改善案を、実践部隊の長である支部長の立場で実行の先頭に立ち、率先垂範してきました。その意味で、組識のあり方として、それぞれの役割を明確にし、責任を持ってその役割を果しています。ただ「かたち」を保障するのは「人」、とくに役員です。昨年から年度の始まる三カ月前には支部役員を対象に全会の研修会が行なわれ、「同友会理念」や「企業と同友会は車の両輪」といった考え方をきちっと理解してもらうようにしています。
自立型企業づくりと、三千名会員をめざし
そして私自身が率先して、「学び→実践→報告→環流→学び」というサイクルで同友会活動に臨んでおり、愛知同友会の提案した「二十一世紀型企業づくり」の中身を自社の経営方針にも取り入れています。「企業づくりは人づくり」と言われますが、会も同じでで、「同友会づくりは人(役員)づくり」なのです。現在、愛知同友会では「将来ビジョン」の草案ができ、この中では「自立型企業づくり」と「人口十万人以上の地域に一つの拠点づくり」を二つの旗印として掲げ、五年後三千名の愛知同友会の実現をめざしています。あわせてこのような会の運動を保障する事務局の役割について、徹底した改善提案づくりや、中長期の財務検討も進行しています。様々な課題を役員が自社と置き換え、自主的かつ組織的に考え、改善案をまとめる。経営者らしく実践の先頭に立って進めていく。そこで役員が問われる。「言いっぱなし、出しっぱなし」ではなく、「実践する」。ここに愛知らしさがあるのでしょうか。
【文責事務局・内輪】
理事会報告
第5回理事会報告(9/17)
◆会場愛知県勤労会館◆参加二五名/三四名
【討議事項】議題(1)中期ビジョン検討について
☆理事会としてビジョン説明を行なう立場で、さらに理解を深める為、「第一の旗印」「第二の旗印」の持つ意味を鈴木副代表理事が報告。
☆経営課題から地域づくりにおよぶ問題まで、様々な問題解決の場が同友会の存在意義。
☆「自立型企業」は二十一世紀型企業・同友会型企業の延長線上の考えである。
◎「ビジョン検討のための地区会長・理事交流会」を十月二九日開催する。
議題(2)九九年度予算編成にあたっての考え方
☆九九年度は会費値上げをせずに、予算編成作業を行なう。
☆地区例会を参加費で賄う考え方を基礎にする。
☆ビジョンがらみでの事務所移転を含め、経費の削減をはかる。
◎以上の考え方を踏まえ、今後さらに検討を進めることを確認。
議題(3)全県行事について
◎提案趣旨を一部文言を修正の上、了承。
◎「経営フォーラム」の分科会づくりでは、今後の「委員長・支部長懇談会」で具体化する。
◎九〜十月頃から定時総会実行委員の召集を行ない、準備を進める。
議題(4)役員選考委員会の早期確立について
◎選考委員会を十月理事会で立ち上げる。
◎竹内副会長を選考委員長とし、支部代表五名、委員会代表二名、青同代表一名、総務会代表二名、合計十名で構成する。
【報告・承認事項】(1)第九回障全交について
◎県内参加者は各支部で動員と取りまとめをおこなう。
◎分科会のみの参加費は別途作らない。
◎入退会者承認●入会者二一名●退会者二五名●現会員数二二一四名
【文責事務局・福島】