三地区合同で作り上げたA・B・C三つの分科会(第二支部10月15日)
第二支部では支部内の九地区が三地区づつ集まり、「共同事業」「社長業」「経営哲学」の三つのテーマで分科会を行いました。

A
仲間づくりから共同製作へ(担当―瑞穂北・名東・第二青同)
成功へのプロセスを探る
「エントロピー豊明」より木下勝光氏福富金属(株)
我が社は自動車部品製造の一次下請けですが、ピラミット構造は崩れ、この不景気のためさらに経営が厳しくなっていくと考えられます。そのため、本業以外でも何かできないかと考え、生花業(大店舗)をやってみましたが、みごと失敗しました。しかし新事業をあきらめたわけではなく、第三支部の仲間十名と手を組んで、「エントロピー豊明」という異業種グループを始めました。その中で鉄鋼業者の方から話を聞き、我が社の技術で合理化ができると思い、新商品開発に着手しました。開発は順調でしたが、どう売るかが難しく、そこが中小企業の弱みでもあると思います。今、世の中は一人で生きていくには難しい時代で、仲間をみつけることが大切です。しかし、何か共同で事業を進める時には、リスクが伴います。そこで自分のためだけでなく、仲間の利益を享受する「FORYOU」の考え方をもって行動できたら素晴らしいと思います。
「ビジネスサロン」中島興亜氏シーエスディー(株)
同友会の中で、リスクを負える者同士で「協調」ではなく、「協力」できるようなビジネスをしてみようと、「ビジネスサロン」を始めました。本当に良かったことは、仲間のバックにある人脈とつながりを持てたことです。成功の答えは簡単。売れたら成功です。例え失敗しても、その過程での人と人とのつながりや情報は無駄にはなりません。一プラス一イコール二、できれば二・五になるような仲間を見つけることが大切です。
「ビジネスサロン」
首藤義弘氏(有)ワイ・エス・コーポレーション
中島社長から炭について様々なことを聞き、炭について知れば知るほど、好きになりました。また中島社長自身の情熱に大変魅力を感じ、夢がある商品開発ができるという思いも生まれてきました。「協調」ではなく、「協力」するということから光明が見え始めました。家族、妻、子どもを含めて私の事業に協力してくれる。一緒になって「協力」する関係が持て、毎日が大変楽しくなりました。
B
あなたは社長していますか?(担当―昭和・瀬戸・吹上)
〈全員参加のゲーム方式〉
この分科会ではマーケットを食品市場に限定して、そこでの「シェア争い」をゲーム方式で行いました。
各社の特色と各顧客の立場
(A社)大手総合スーパー(B社)中型チェーンスーパー(C社)同族小型スーパー(D社)新規出店(E社)新規ベンチャー企業そして顧客(ジャッジ)には、@パート主婦、A専業主婦、B新婚主婦、C老夫婦の立場で四名の方が。
第一回セールスプロモーション
(A社)他社に比べ売り場が広く、商品の種類が多い。(B社)地域密着、鮮魚の専門家による対面販売、環境問題にも対応。(C社)隣にコンビニエンスストアを併設し、地域の方との細かなコミュニケーションがとれる。(D社)人にやさしい店作り、毎日メニューをかえた小分けパック販売など展開中。(E社)「健康」にこだわるり、バリアフリーの店舗かつ二十四時間体制。
第二回セールスプロモーション
(A社)薄利多売で商品を安く提供。全国の農家と提携して有機栽培の野菜を販売。(B社)基本理念は「買う楽しさ鮮度と味で勝負」。契約農家の生産者の顔写真や鮮魚はとった漁師を紹介する。(C社)地域の事情を知り尽くしており、宅配時にガス料金や水道料金の集金も。(D社)バリアフリーに関しても最新の設備。オムツ換え場所や身障者のためのトイレを設けるなど。(E社)従業員の採用方針は五十五歳以上の一線を退いた健康な人を。お金儲けというより生きがいを追求。
ジャッジと理由
一位E社、二位C社、三位B社、四位D社、五位A社。
(E社)新鮮味がある。アイデア、心意気、考え方の差、本気で商売をやっていると感じられた。(C社)デリバリー、公共料金の支払い。子どもや老人に対する対応、お客様に対する接し方。(B社)買う楽しさ、ゴミ問題。当たり前すぎ、他社に比べ新鮮味がないが。(D社)新しい建物と設備、人間中心の商売。サービス(清掃等)の話があれば。(A社)最初は何の工夫も無かったが、「催し物」「駐車場」などから信念が見えた。
C
今、見直す経営哲学(担当―千種・東・瑞穂南)
障害者雇用で自らが変わる
江尻富吉氏信濃工業
「自分でつくった子どもなんだぞ」一九七五年、会社を設立した当時、人が出たり入ったりで不安定でした。今から十三年前、次男が知的障害者である関係で、佐織養護学校の園長・島崎先生と出会い、考え方が大きく変わりました。先生が言われた、「自分で作った子どもなんだぞ」という一言で、「子供は妻が面倒を見るものだ」という考え方も変わり、一緒になって育て社会に送り出すというように変わりました。
会社が変わった
一番変わったのが会社でした。人が寄り付かなかったのが、人が集まるようになってきました。社員を認めるようになったからです。社員は認められて育つということに気づき、社是と基本方針ができ上がりました。経営は社会性・人間性・科学性の三つの柱がないといけないと思います。このうち、人間性は自社を「人間尊重型企業」と位置づけているところにあります。人間を大事にしながら会社の基盤を作っていく重点は、@言っても分からない、分かってもできないという途上の中で物を考える、A感謝の気持ち、Bチャンスを受けいれるように人間の器を大きくする、C百パーセントの人間はいない、以上の四つです。
障害者雇用はボランティア?
私の会社には身体障害者と知的障害者がおり、この二人から学ぶところが非常に多いのです。彼等は好きな部分はひたむきに真剣にやります。健常者まではいかないものの近い働きをします。問題もあります。それは最低賃金法の問題です。以前には、月十万六千円を支給していましたが、バブル崩壊とともに、当社の経営も影響を受け、賃金体系の見直しを迫られました。職能給体系へ移行し、社員十七人のうち六人が退社をしました。障害者の人達の賃金は賃割れ申請を行い、二万五千円に引き下げました。それから六年。彼らの給料は八万七千円となり、これは彼らが自分の力で得た給料です。障害者雇用は、ボランティアではありません。当社の中にあって社員教育の一環として、彼等の事をよく引き合いに出します。これは生産性とは離れた部分での教育ということになります。
理事会報告
第7回理事会報告(11/17)
◆会場名古屋市市民会館
◆参加者二七名/三四名
【討議議題】議題(1)「99同友会ビジョン」の提案と今後のスケジュール
◎「ビジョン検討のための地区会長・理事交流会」を受けて、書き直したビジョンを提案。
☆主な意見として@「旗印T」について
・「自立型企業」の第三次産業の事例も必要。
・「価格決定権」だけが強調されている。「自らが販売戦略を立てられる企業」という表現に。
A「旗印U」について
・「拠点」の単位がはっきりしない。明確に。
・見出しを「地域社会とともに歩む中小企業と同友会」という表現に。
・行政からもあてにされる組織という意味で、「中小企業施策の立案の際、諮問を受けるような団体」という内容を入れては。
◎今後のスケジュール
@各支部の活動方針はこのビジョンを柱とし、三年先、五年先の支部方針を検討する。
Aビジョン案を十一月支部役員会で討議し、支部長会議で集約。各地区の役員会でも討議する。
B今後出された意見を集約し、三八回定時総会に提案する「ビジョン最終案」を確定する。
議題(2)総会の基本構想
◎三八回定時総会の構想と体制などを承認。
@四月二十四日(土)午後から中小企業振興会館にて
A総会の意義として・ビジョン提起と実行の第一年度とする。
・全員参加は勿論、特に地区役員の研修の場とし、総会方針を深める分科会を行なう。
議題(3)三八回総会議案骨子
◎三八回定時総会議案の活動方針・経過・情勢の骨子を提案。以降の理事会で討議を行う。
【報告・承認事項】
@県への政策要望・前回理事会以降、項目を追加し、要望書を提出。追加項目を承認。
A県との政策勉強会の開催・十二月十五日(火)午後一時から「ウィルあいち」
B情報ネットワーク委員会で「貸し渋り対応特別保証制度」の利用実態調査を行うことを承認。
C愛知県知事選候補者との政策懇談会を行う。準備は政策委員会中心に進めることを承認。
D会員名簿の広告掲載状況と、作成費不足の場合、本会計より支出を確認。
◎入退会承認
●入会者一八名
●退会者二三名
●現会員数二一九六名
【文責事務局・福島】