第二支部新会員オリエンテーション2月26日
新会員自らが自社の悩みを語る

今年度第二回の新会員オリエンテーションが、二月二十六日開催され、新会員八名をあわせて三十一名が出席しました。冒頭の堀尾支部長の挨拶では、同友会の最近の対外活動やマスコミ・行政などからの社会的評価が紹介されました。続いて、(株)イデアの井手啓人社長(瀬戸地区)から「最初の受け身の姿勢だった頃はおもしろくなかったが、元気な人と元気でない人の違いに気がついた。自分にはねかえってきてもいいから積極的に自分をアピールすることが、自分の為になることを学んだ」という活用体験が報告されました。その後のグループ討論は、「新会員の自社の悩みを語る」をテーマに行われ、新会員からは、「自分と同じレベルで話せてほっとした」「十年後には自社ビルを建てたい」等の抱負や感想が発表されました。
第一支部新会員オリエンテーション2月8日
出会いほのぼの

第一支部に今年入会した方を対象にした新会員オリエンテーションが二月八日に行われ、先輩会員を含め、約百人近い方が参加しました。増強委員の森川さんの司会でスタートし、「同友会の三つの目的」の唱和、増強委員長の開会の辞、第一支部長の挨拶、そして同友会の組織と運営等の説明が副支部長の岩間さんより行われました。続いて、基調報告を一宮地区の滑笂cレーベルの岩田真人社長より、「同友会を通してのおやじとの出会い」と題し、二十分間報告をして頂きました。「企業とは、後継者とは」のテーマで、会社の理念、経営指針があればこそ継続し、かつ地域にあてにされることを痛感させられた講演でした。(これは話しの中の岩田レーベルの経営理念の『自利・利他・円満』の実践の落し込みではないでしょうか)。続いて私の大好きなお酒のある懇談会。これも終始なごやかなムードの中でオリエンテーションは無事終了し、ワンゲストの方も入会を決意したことと思います。
(株)アテクス 田中 利明
第1支部−新会員オリエンテーション基調報告
「同友会を通してのおやじとの出合い」岩田真人氏(株)岩田レーベル・社長

●会社にいないおやじ
私の会社は、ラベルとそれを貼る機械を扱っています。亡くなった父親が創業し、今年で三十七年目になります。副社長というポジションについてから半年後に父親が突然亡くなり、それから社長になって二年半がたちました。それまでは父親が同友会で活躍していた手前上、私はその後を引き継ぐかたちで入会。それまでは全く同友会の事を知りませんでした。その頃のことを振り返ると、父親は愛知同友会の会長をやっており、ほとんど会社にいませんでした。納期トラブルなど問題が起きてしまい、社長の意見が聞きたいのに社長がいないという事があったりもしました。それで「仕事をほっといてまで参加する価値がある団体なのか」「本当に大変な会だな」という想いや印象を持っており、いささか冷ややかに、かつ客観的に、同友会というものを見ていました。先代は、同友会の会長を一期引き受けて、もう一期引き受けるかどうか悩んでいた時に、社内の役員会で話したところ、全員一致の反対にあって、二期目は引き受けませんでした。この時は悪い事をしたなと思っています。当時、株式を公開しようという動きがあり、また新工場を栃木につくろうという話もあり、社長が常に会社にいないといけないという状況もあったので、しかたないと言えばしかたないんですが……。
●年齢、規模関係なしいかに熱心に参加するか
同友会に入りまして二年半になりますが、あらためて同友会に対して思う事は、会合などでグループ討論が行われる時に、様々な経営者の方の話を聞けた事が、大変励みになったことです。
例えば社長になってから自分のがんばりが空回りをしていた時があり、「こんなに苦労しているのにどうして結果につながらないのか」という想いを会合でぶつけた時がありました。すると私よりも年輩で、もっとすごい想いを持った人が、バイタリティを持ってがんばっているという話を聞いて、たいへん励みになり、がんばることができました。三つの目的である「良い会社になろう」「良い経営者になろう」「良い経営環境をつくろう」をベースにした考えがみんなから、ひしひしと感じられて、本当にみんな一緒にがんばっている仲間なんだなと励まされました。また、全国会合に出席しても初めて会う人に対して親しくできたのは、同じ目的を共有している仲間なんだという想いがあったからです。同士、仲間という点では年令も関係ないし、会社の大小も関係ない、そのため隔たりもなくつき合わせていただいています。強いて言えば、いかに熱心に参加しているかという点が重要であり、熱心であれば役をもらってそれがいつか自分に返ってくるという、そんなすばらしい会なんだなと思っています。
●「自利・利他・円満」を腹に落とす努力中
同友会に入る前までは、中小企業というと上の言う事を「はいはい」と聞いていれば良いもので、中小企業の将来は親会社任せというイメージが強かったんです。しかし様々な経営者の方の話を聞いていると、本当にしっかりとした意見を持った人達だなと感心させられました。経営指針についても、「共に育つ」という考え方や、障害者に対する考え方、地域に対する中小企業の役割などを自分の意見としてきっちり持っている人が本当に多い会だなと感じています。今の経営指針は、父親のつくったものを受け継いでやっているのですが、正直まだ自分の腹に落ちるまで理解できていません。そのため、日々この追求で経営をやっているという点もあります。経営理念の「自利・利他・円満」の言葉の意味として、自分が利益を確保するために行動することが、そのまま他人の利益にも役立つように実践する、ということなんです。私としてはこれをいかに腹に落として実践していくのかというのが、私の経営課題なのです。
●会員の思い出話から改めておやじを見直す
「同友会を通してのおやじとの出会い」なんですが、それはやはり会員の方から思い出話を聞く事ができて、改めておやじを見直すことができたなというのが一番の出会いです。具体的な話として、父親はあまり身なりを気にしない人物で、例えば眼鏡が曇っていても気づかずに話していたり、味噌汁のついたネクタイをしていたり、ヨレヨレのスーツを着て会合に出席もしていたそうです。会社でも同じ様なことをしていたので、そんな話を聞くと裏表のない人だったんだなと感じました。また、おやじが愛知同友会の会長だったときに、運営側の人に対して苦言を言ってきた人がいて、おやじはそれを素直に受け入れたそうです。その後、ある人に対し「苦言を言ってくれて嬉しかった」という話をし、そして苦言を言った本人が間接的にその話を聞き、大変喜んだと言うことも聞きました。三十周年記念式典で当時実行委員長をやっていた方に対し、「リボーンの親玉だ」というような表現で、気さくに人に接していたという話も聞きました。このような話を聞いて、普段は見ることができなかったおやじの姿を見る事ができました。
●理屈ではなく、人間力を持った人
全国会合に行って、私の名札を見て、「お父さんには大変お世話になりました」という言葉を多くの方からかけていただき、驚きました。全国の会員に対してもおやじはエネルギーを持って接していたんだなと敬服しました。一番強烈に印象に残っているのは、立教大学の山口助教授から聞いたんですが、おやじが他県の集まりで講演をしに行った時、その会に出席していた人で事業がどうにもならなくなり、自殺でも考えていた人がいたそうです。しかし、おやじの熱っぽい話しを聞いて、もう一回事業をやり直そうと決意されたそうです。こういう話を聞くと、理屈ではないな、本当に人間的な力を持った人だったんだと感じました。

●「中小企業の時代」を身を持って実践
今、私達はPSCジャパンという同業者中心のネットワークを組んで、全国同規模のラベル専業メーカーで様々なことをやっていこうとしています。これはちょうど四年半ぐらい前に父親がこのような構想を持ちまして、いろいろな会社に声をかけてつくった組織です。このような話を聞いていると、同友会で言われている、価値観の多様化している今、「これからは中小企業の時代である」という話しや、「共に生きる『共生』だとか、「ネットワークが必要だ」とかという話しの中で、おやじは同友会で学んだ事を自ら実践しようとしていたんだなと感じています。
●同友会を知ることイコールおやじを知ること
私達は、あまり会話のない親子だったんですが、そのため突然亡くなった時、経営の引き継ぎができませんでした。おやじが入っていた同友会に私が入ることで、引き継げなかった部分を同友会で引き継ぐことができたのかなと思います。おやじは同友会を心底愛して、「同友会の考えイコールおやじの考え」というようなぐらい熱い想いを持っていました。だから同友会のことをよく知るということは、おやじのことをよく知るということなのかなと思います。今、本当に同友会に参加して良かったと思っています。今、社内ではいろいろな問題がありますが、「同友会で多くの経営者の方と付き合うことが経営者としての自分の実力をアップさせることだ」と確信しています。
【文責事務局・内輪】