活動報告

第15期役員研修大学 第10講座(2月16日)

「同友会らしさ」とは何か

高瀬 喜照氏  (株)高瀬金型

高瀬 喜照氏

高瀬 喜照氏

自問自答を続ける

第15期役員研修大学第10講座では、「『同友会らしさ』とは何か」とのテーマで副代表理事である高瀬喜照氏より報告いただきました。

同友会らしさというと、同友会理念、いわゆる3つの目的(よい会社をつくろう・よい経営者になろう・よい経営環境をつくろう)、自主・民主・連帯の精神、国民や地域と共に歩む中小企業、という言葉が浮かびます。これらが同友会らしさを表すのは間違いありませんが、ただ覚えているだけでは意味がないと高瀬氏は警鐘を鳴らします。

一体何がよい会社なのか、自分はよい経営者なのだろうかと、会を通して常に自問自答し続けること。そして、自分なりの答えを持つことこそ重要なのです。

三位一体の経営で成長

高瀬氏は入会後しばらくは中途採用を続け、社内で問題が頻発しましたが、新卒採用が会社を変える転機となりました。何のために仕事をしているのか、誰に必要とされているのかを真摯に伝え、一緒に目標を立てて共育を行う、つまり三位一体の経営に取り組んだからです。結果、会社は80名弱の規模にまで拡大し、何もできなかった新卒社員が会社のために自主的に働き、成長していく姿を目の当たりにしました。人の成長を信じる重要性や楽しさに気付き、人間尊重の精神を考える機会ともなりました。

人間尊重の精神と、役割を明確にして社員にやりがいを感じさせられる組織づくり。そして労使見解に基づく雇用を守り抜く決意こそ、経営者に必要不可欠なものであると高瀬氏は強調します。何が「同友会らしさ」かを、一朝一夕に理解することはできません。高瀬氏も、会で学んだことを実践して失敗を繰り返す中で、今に至ったのです。

中小企業の社会的意義は、赤石義博氏(中同協相談役幹事)の著作やヨーロッパ小企業憲章などを通じ、今では幅広く認められています。一人ひとりが学びの実践を続け、地域に貢献する「同友会らしい」企業へと自社を成長させることが期待されます。