活動報告

第16期共育講座 事前学習会(4月17日)

共育の原点 ~経営者としての責任

杉浦 昭男氏  真和建装(株)

「同友会は経営者の資質を磨く場」

「同友会は経営者の資質を磨く場」

第16期社員と学ぶ共育講座(35社、106名が参加)では、経営者を対象に事前学習会を開催しました。杉浦昭男氏の報告を紹介します。

「共に育つ」は経営者の覚悟

「共育」は、社員に都合よく働いてもらうためのキーワードでも、社員のモチベーションを上げる魔法の言葉でもありません。共育とは、経営者が共に育つ根幹を知り、社員と一緒に「共に育つ」在り方を学ぶ、終わりのないテーマではないでしょうか。

同友会運動は、戦後労働争議の歴史の中で、経営者と社員が争うのではなく「社員と共に育つ」ことが決定的に重要だということに気づきました。「労使見解」と「共に育つ」は、同友会の一丁目一番地なのです。

働く側と使う側には、どんなに信頼関係を築いても埋まらない溝があります。この溝の幅を少しでも細くしようと努力していくことが、「共に育つ」ではないでしょうか。「共に育つ」というのは、経営者の覚悟だと思います。

資質を高め続ける

経営者が軽い気持ちでは、人は育ちません。多くの苦難があっても、目の前の人間と共に育つ覚悟が必要です。一人ひとりの人権、個性がある中で、どう向き合っていくのか。難しいのは、経営者が人間として社員に信用してもらえるかどうかです。この社長と一生生きていきたい、この会社で幸せになりたいと思ってもらえるようになるには、テクニックより経営者の資質が重要ではないでしょうか。

経営理念は経営者が作成し、経営指針は、徹夜してでも社員と一緒になって作るものだと思います。自社では、経営指針を作り始めたころから社員が定着してきました。不安に思うことがあっても、結果は必ずあとからついてきます。私は経営指針を作る中で、共に育つ実感を得ました。社員に都合よく働いてもらうために、「共育」を使用してはいけません。

全ての人間は、幸せになる権利を持って生まれてきました。決して人間に格差があってはいけないのです。

同友会は、売上を伸ばすことや利益を上げることを学ぶ場ではなく、経営者の資質を磨く場所です。経営者の資質こそが、社員を育てていくものだと思います。