活動報告

人を生かす経営総合学習会(全6回) 第1回(9月2日)

第1回 経営実践から生まれた「労使見解」

田山 謙堂氏
中小企業家同友会全国協議会顧問・(株)千代田エネルギー取締役顧問

田山 謙堂氏

田山 謙堂氏

民主的な対話を軸に

労使見解の発表から40年の節目にあたり、「人を生かす経営」を深める学習会を全6回で開催します。その第1回として中同協顧問の田山謙堂氏より、労使見解が生まれた経緯、自身の人間尊重の経営実践について報告いただきました。

田山氏は1958年に日本中小企業家同友会(現・東京同友会)に入会。当時は「総労働対総資本」路線で、会員企業の中でも労働組合との対立抗争が生まれ、どう対応するかが議論されていました。その中で、経営の機能をフルに発揮させるには信頼し合える労使の関係づくりが一番の鍵であること。社員の切実な要求には民主的にとことん話し合い、企業の実情に合った改善を図っていくこと。こうした経営姿勢を確立し、経営者自らの姿勢を正すことが大切であることに、当時の先輩たちはたどり着きます。

その後の10数年に及ぶ経営実践から「労使見解」が成文化されており、机上の論議から生まれたものではないと、労使見解作成に関わった立場から語られました。

原点に立ち返って

当時の会員は、日本経済の未来や広い視野から中小企業問題を論議し解決しようという問題関心を持っており、その見識の高さに刺激を受けたという田山氏。また中同協設立の過程では多数決主義を廃し、民主的運営を心掛けたともいいます。

一方で、現在の平和安全法制整備法案の進め方は、民主主義を踏みにじる行為と田山氏はいいます。同友会からほとんど声が出ないのはなぜか、賛否はもとよりそれをどう考えていくのか、いわば創立当時のように天下国家を論じる運動推進が必要ではないかと提起し、次世代に向け原点に立ち返った運動推進への期待を込めました。