活動報告

人を生かす経営総合学習会(10月8日)

「成り行きまかせ」から「ビジョン型」の労働環境実現へ

浅生 卯一氏  愛知東邦大学経営学部講師
加藤 明彦氏  エイベックス(株)

労働法制の動向を報告する浅生氏

労働法制の動向を報告する浅生氏

将来展望のもてる企業

学習会では、愛知東邦大学の浅生卯一氏から最近の労働法制の動向、エイベックスの加藤明彦氏から「安心して将来展望のもてる企業づくり」について報告いただき、64名が参加しました。

浅生氏からは、労使で評価が対立する「労働者派遣法の改正」(成立)と「労働基準法改正案」(継続審議)が取り上げられ、どのような働き方なら双方が納得できるかを考える機会となりました。

雇用の流動化が進めば技術が蓄積されず、永続的な会社の発展は難しくなります。直接雇用でなくなると雇用責任が果たせず、指揮命令系統の分離により、社員の成長も阻害されます。安心して働ける職場づくりには、社会性の視点も必要だと示唆しました。

加藤氏は、就業規則と経営指針を全社員と共有する過程を最大の「共育」と捉え、社員目線の職場づくりをしています。休む権利を保障する方針を立て、それを達成する計画を明確にし、社員が交代で休めるように、仕事の多能化を推進しています。

また、就業規則には一人ひとりの人生を大切にする覚悟が記され、その証として「社員が安心して有給休暇を取得できる体制」を築いています。「社員と共に歩むと決意し、実践の伴わない『同友会ごっこ』ではなく、右手に就業規則、左手に経営指針を掲げよう」とまとめました。