活動報告

第16期共育講座 第6講座(10月23日)

共に育つ物語

豊田 弘氏  知立機工(株)

豊田 弘氏

豊田 弘氏

第16期社員と学ぶ共育講座(35社、106名が参加)第6講座・豊田弘氏の報告を紹介します。

共育は人間性から

私は勤めていた頃、血の小便が出るほど働いていましたが、会社の不正を指摘してから折り合いが悪くなりました。結核での入院も重なり、電話1本で解雇され、独立したのです。

当時は人間不信に陥り、強い憎しみ、恨みを持っていましたが、今では独立のチャンスをくれたと感謝できるようになりました。この経験から、「社員やその家族を絶対に路頭に迷わせてはいけない」というのが私の経営哲学となっています。

同友会で学ぶようになり、自社を振り返ってみると酷い状況でした。問題を抱えた社員とどうやって一緒にやっていくのか悩んだ結果、社員の幸せを真剣に考えていない自分に責任があることに気付きました。

共に育つとは 己が育つこと

人間はテクニックでは育ちません。枠に嵌められ生きるような薄っぺらいものでもありません。そのことに気付いてもらうために、「人・命・働く」を考える全体会議を始めました。最初は難しいとの批判もありましたが、根気よく続けて23年経ちます。

社員と一緒に歩む中で、わかってきたことがあります。自主性を大切にすると、人は生き生きとしてくる。1人1人が活躍できる居場所。教えることよりも、沢山の気づきの場を提供すること。社員が主役。任せたら任せる、などです。そして、良いと信じたことを継続すると、それが企業風土となります。経営は、会社経営と人間経営のバランスが大切です。

教育とは、子供を自分の脚で歩けるようにしてやることです。根を養えば、樹はおのずと育ちます。社員のことをとやかく言う前に、先ず自ら姿勢を正すことが肝要です。自分が育ち、社員が育ち、その社員に教えられ自分が育つ。このサイクルが、本当の「共に育つ」だと思います。