活動報告

役員研修大学 ―第6講座(10月19日)

同友会らしい「共育」の実践

佐藤 祐一氏  (株)羽根田商会

共育についての考え方を学ぶ参加者

共育についての考え方を学ぶ参加者

第16期役員研修大学第6講座、佐藤祐一氏の報告概要を紹介します。

土台を成すもの

共育は同友会が唱える三位一体経営の1つです。その土台として「労使見解」や「人を生かす経営」があります。経営者団体は幾つもありますが、経営者の責任を追求し、社員を真のパートナーと捉える考え方は同友会にしかありません。これこそが同友会の本質です。まずは、これを理解しなければ「共育」を実践することはできません。

教育と共育

「教育」は知識や技術を上から下へ伝え、「共育」は人間として互いの価値観や理念を話し合い、仕事を通して生きる目的を達成するという違いがあります。私たちは、つい社員に商品知識やスキルばかりを教えがちですが、その前に仕事に対する「考え方」を身につけさせなければ、その知識やスキルも十分に使いこなすことはできません。

鬼に金棒という例えがあります。無敵の強さを手に入れるには、まず鬼(考え方、人間性)を育てなければ、太い金棒(知識、スキル)は振り回せません。「何のためにこの仕事をするのか」と考えて、初めて知識やスキルが身に付き、使えるようになるのです。

経営者の姿勢を確立

共育が成り立つ前提として、経営者が社員に信頼されている必要があります。それには経営者の姿勢の確立、すなわち「目的の明示」「経営の透明性」「結果の責任をとる」などが求められます。その上で、経営者の人生観を反映した経営理念があるからこそ、仕事と社員の間に共育という橋が架けられるのです。

経営者が自分の責任を果たした上で、社員の人生と向き合うこと。社員の人生を預かる立場として、人間尊重の経営を行うことが大切です。