活動報告

農業部会(2月23日)

中小企業と地域は不離一体
~地域と歩み、地域をつくる

報告する北海道同友会の石橋氏

報告する北海道同友会の石橋氏

浜中町農協の試み

農業部会では、「中小企業と地域は不離一体」と題し、北海道同友会の浜中町農業協同組合組合長・石橋榮紀氏より報告いただき、総勢44名が参加しました。

浜中町は酪農と漁業が主な産業の小さな町で、農協の規模も限られています。そうした中、石橋氏はデータに基づき高品質な牛乳を生産・出荷する施設を35年前に設立。やがて、その品質と管理体制が有名企業からも認められました。食の安全への不安から生産履歴が意識され始めましたが、生乳のデータを提示できるのは、今でも全国で浜中町農協だけといいます。

また、離農や農地の荒廃化の進行が課題となり、全国に先駆けて就農者向けの研修牧場を設立しました。研修生の多くがその土地で就農するとともに、恵まれた育児・教育環境が見直され、地域コミュニティを維持しています。

地域の声を聞く

更に地元から出資を募り、法人経営を考える人材育成の企業を立ち上げ、酪農の生産維持に雇用創出、地域経済の活性化に繋がりました。今では全国で唯一、生乳の生産量が増加し続けており、酪農による地域振興モデルとしても注目を集めているそうです。

中小企業も農協も共に地域に根差した組織といえます。石橋氏はこれまで、組合員のためになるか、地域のためになるかを第1に考え、理念に据えて先を見越した活動をしてきました。その報告から、農業も将来を予期し、戦略を立てる必要性があり、地域の声に耳を傾け、まず行動する積極性が欠かせないと、参加者は学びを深めました。