活動報告

第18期共育講座 第4講座(9月22日)

人が育つ企業へ

磯村 太郎氏  サン樹脂(株)

書籍「共に育つ」を紹介

第18期社員と学ぶ共育講座(32社、112名が参加)第4講座・磯村太郎氏の報告を紹介します。

お客様と退職者からの教え

自社は工業用樹脂の加工を営んでいます。私が父の会社に入社した当時は、潰れそうな危機的状況でした。そんな中、平然と定時退社していく社員や最低限の仕事しかしない姿勢が当時の私には理解できず、社員との間に大きな溝がありました。

私は1人で必死になり、大量の仕事を受注しました。限界を超える仕事量で、納期遅延で3日間徹夜しても完成できませんでした。取引先からは「お前の仕事は社員にお願いしてやってもらうことだ」と叱られました。

社員を育てていきたいと思うようになりましたが、人が定着せず苦労しました。2006年に工場を増築し、若手3名を採用しました。しかし、10カ月で3名とも退職。理由は「職場環境や給与は好条件だったが、この会社にいたくない」と言われました。

一方で、既存社員には「新人を育てるなんて面倒で、生産性が悪くなる」と言われました。こんなことなら1人のほうが楽だと思いましたが、1人ではできない仕事を協力して成し遂げていくことが会社の楽しさだと改めて考えるようになり、育てる人を育てる大切さに気付きました。

「人が育ちたくなる会社」について討論

社会の中での役割

社員も経営者も、人生の中で大切な時間を使って働いています。共育講座に参加し、社員は会社のことを考えてくれていたのに、私が考える機会を奪っていたのです。

昨年、6名の退職者が出て気付いたのは、先が見えないことへの絶望感を無くし、自分を見失わないように成長の階段を作る必要性でした。今年は新工場へ移転し、効率化を図りましたが、忙しさが解消されず、モノの流れも悪く、「報連相」も上手くできていないことが課題です。

人間は「変わりたい」と思ったときに変わることができ、主体的になることでチャレンジする気持ちが芽生えます。人は人との関わり合いの中で、大きな目当てを持つことで大きく成長できます。一人ひとりがやりがいを感じる瞬間、やっていて良かったと思えることで成長するのではないかと考えます。

会社では、経営理念が大きな目当てです。その目当てに向かって一人ひとりが懸命に努力することで、良い会社、良い社会になっていくのだと思います。