▼男女共生委員会が取り組む課題の1つに「ワークライフバランス」があります。この言葉自体、安倍内閣の「女性の活躍推進」の追い風もあって、最近ではかなり中小企業経営者にも浸透してきた感があります
▼それでは、中小企業にとってワークライフバランスの取り組みを考える、その真意や必要性はどこにあるのでしょうか。大きな要因に挙げられるのは人口減少という避けられない近未来の現実です。人口が減れば当然、働き手も減ります。今後、中小企業の採用は、ますます困難となることが予測されます。高度経済成長時代のように、仕事に集中できる男性だけが働き手として頑張るのではなく、結婚や出産をした女性、外国人、障がいを持つ人など、あらゆる人を活用せざるを得ない時代が到来するため、企業は仕事と生活の調和を図る必要性に迫られるというわけです
▼また介護問題も深刻化しています。今や1人の女性が一生の間に産む子供の数は1.42人(平成26年)です。1人っ子同士が結婚したら、2人で4人の親を見ていく計算です。社員が親の介護のために離職する可能性は、かなり高い確率となる時代が来るのです
▼それゆえに私たち経営者は、自分自身や社員が出産や介護をしながらも働き続けられる環境を構築するために、企業としてワークライフバランスを考える必要があります。仕事を続けながら、家庭にもしっかり関われる、そんな働き方、働く環境を構築するには、かなりの時間が必要です。一刻も早く一歩を踏み出す会社が増えていくことを願っています。
男女共生委員長 倉田 満美子