調査・研究・提言

2007年インターンシップ
学生77名(12大学)、受入企業45社

「共に育つ」の一環として~働くこと、生きることを学ぶ

8月10日:キックオフ
9月3日:修了式

07_10_0207_10_03

12大学学生77名が44社と事務局で研修

07_10_01

今年で10年目を迎えた同友会のインターンシップ研修が9月3日の修了式をもって閉幕しました。今年度は東海学園大学が新たに参加し、8月20日から8月31日の約2週間の研修を通じて、中小企業の魅力、働くこと、生きることについて学びました。

社員の働きがいに着目

キックオフセミナーの冒頭、宇井朗浩氏(愛知産業大学准教授)から「働くことは学ぶことでもあり、学生生活とも似ている。職業的な学びも大切だが、そこで働く社員が、どんな価値観を持って働いているのかに注目して欲しい」と学生へ激励の言葉を送りました。また、受入企業の明石耕作氏((株)豊梱社長)からは、研修を通じて、中小企業が、目標を持って参加すると深い学びができることをアドバイスしました。さらにインターンシップは学生だけでなく、受入企業の社員教育や業務の改善、見直しの大変良い機会になることを強調し、学生と企業双方がメリットを最大限享受できるような研修を創り上げたいとの想いが報告されました。

07_10_0407_10_05

学生自身が主役

今年度も同友会インターンシップを企画・運営する「インターンシップ学生実行委員会(愛知学院大学、日本福祉大学、愛知東邦大学の学生3名)」が活躍しました。特にキックオフセミナーと修了式の集合研修では、司会進行、受付、資料作りなど、会議の運営を主体的に進め、これまでの「お客さん型インターンシップ」から、学生自らの問題として捉える「主人公型」のインターンシップの場へと変ってきています。研修を終えた学生は、社長の経営哲学に触れ、就職観が180度転換したこと。また事務・営業・工場などでの実習は、大学の授業では決して学ぶことができない経験ができたといいます。そして、多くの人に支えられながら生きていることの気づきや、学びの中から芽生えた社会に貢献できる人間になりたいといった思いを、他大学の学生と交流し合う場面がみられました。

07_10_0607_10_07

インターンシップ中小企業のイメージ一新(感想レポート)―抜粋

肌で感じた「本当の」中小企業(愛知産業大学・Nさん)

私が今まで抱いていた中小企業のイメージは、きつい・きたない・きけんの俗にいう「3K」でした。しかし、実際に現場で働かせていただき、先入観は当てにならないものだと実感しました。まず、研修先で経営陣のトップの方々と話をして、その経営や社内改革の姿勢を知り、全てを見通すことの難しい大企業にはない「中小企業の魅力」を感じました。研修先では各課の課長さんや、現場で働いている方、裏で支えている方とも話をする機会がありました。まだ完全ではないにせよ、その方々にも社長の考え方や会社の姿勢といったものが浸透している事に驚きました。この点でも、経営陣と現場の距離が近い中小企業の良い面を垣間見ることができたと感じました。今までは中小企業をただ漠然としたイメージでしか捉えていなかったので、色々と誤解している部分もありました。しかし、中小企業の本当の姿を知ることができ、これからの就職活動に生かせる大きな力を得た研修となりました。

07_10_08

インターンシップに参加(名城大学・Hさん)

漠然と食品会社で働きたい。それが私のインターンシップへの参加理由でした。そんな中で受け入れて頂いた会社の営業の人たちと食品会社を訪問するなかで、私の食品業界に対するイメージが変わりました。私は毎日のようにテレビで賞味期限改ざんのニュースをみて、どこの会社でもやっているのではと思っていました。しかし、私が訪問した会社は衛生面はもちろん食品添加物の産地まで気をつかい、驚くほどの努力をしている会社ばかりでした。それから、品質管理の仕事に対するイメージも変わりました。単に微生物のチェックをするだけでなく、食品の産地や味のチェック、クレームの対応など様々な仕事があると分かりました。インターンシップに参加して、私は食品会社で働きたいとより強く思いました。どの食品会社の人も、大変な仕事だけど、自分が携わった商品を消費者の方に食べてもらえるのが嬉しくて、やりがいのあるとおっしゃっていました。食品会社の方のこのような思いを聞いて、私もその一員になりたいと思いました。

07_10_09

職場体験を通して(愛知工業大学・Sさん)

2週間の職場体験を通して営業と、現場作業(工作機械の使用)を体験しました。その中で特に感じたのは、営業活動では仕事をもらうためだけに行くのではなく、お客様(会社)はもちろんのこと他社の会社(ライバル社)とも交流を深め、ある程度の仲間意識をもつことも大切であることです。一番興味を持てたのがCADソフトなどを用いて加工を行うNC機です。刃物あわせと初期設定は汎用機でも行う作業なのでCADやプログラミングがある分1つの製品を作るのには時間的には適していない事が作業を通して理解できました。また、大学のCADソフトと企業用のCADソフトの違いも体験する事ができました。大学はレイアウトなど綺麗に絵を描くのを重点においているのにおいて企業用のソフトはプログラミングとして機械に取り組む事に重点を置いている事も知りました。

07_10_10

2007年受入派遣大学(50音順)

愛知学院大学
愛知学泉大学
愛知工業大学
愛知産業大学
愛知淑徳大学
愛知東邦大学
大同工業大学
東海学園大学
名古屋市立大学
名古屋文理大学
日本福祉大学
名城大学