活動報告

第19期役員研修大学 第3講座(7月9日)

人間尊重の源

吉田 幸隆氏  エバー(株)

吉田氏の実践から各々が自社を振り返る

第19期役員研修大学・第3講座の吉田幸隆氏の報告を紹介します。

労使見解は「企業づくりの原点」

1975年に発表された「労使見解(中小企業における労使関係の見解)」は、同友会の先輩経営者たちが議論に議論を重ねて生みだした「企業づくりの原点」です。

大企業優遇施策や労使紛争など苦しい経営を迫られる時代背景の中、当時の経営者たちは、中小企業のあり方について真剣に議論した結果、経営者の姿勢を正し労使の関係を深めること、労働者個人の人格を尊重し、最も頼りがいのあるパートナーと考えることこそ、人間尊重経営の原点であると見出しました。

私たちは労使見解を実践していく上で、当時の経営者の気概や使命感、己を真摯に磨いてきた姿勢を学ぶべきだと思います。

経営課題を労使見解に照らし合わせて

私自身、幾度とない経営危機に見舞われながらも、社員や同友会の仲間など様々な人の助けがあって、経営をしてきました。長年同友会で学ぶ中で、「労使見解」の1つひとつの項目を咀嚼し実践することで、最近は同友会の学びを会社に活かせてきていると感じます。

経営課題を20個書き出すと、「労使見解」の8つの項目のどれかに当てはまることがわかります。経営指針を実践する過程でもこの課題が必ず出てきます。ぜひ皆さんも「労使見解」と自社経営を照らし合わせて考えてみてください。

これまで労使見解の歴史的背景や今日的意義を説明してきました。歴史から学ぶべきは、中小企業の役割としての使命感であり、己を真摯に磨いてきた自助努力のエネルギーとその姿勢にあると思います。