組織づくりは仲間づくり ~生涯の人間関係を築く
宇佐見 淳氏 (株)ウサミ建工
藁をも掴む思い
東尾張支部「経営者の集い」が87名(うちゲスト16名)の参加で行われました。
宇佐見淳氏は、憧れていた親方が福利厚生などの保障がない業界の中で将来の不安を口にしたことから、少しでも先を見据えながら永続的に働ける場をつくりたいとの思いでウサミ建工を設立しました。それ以前から同友会には入会していましたが、現場作業に没頭するあまり、次第に足が遠のき退会してしまいます。
その後、無計画のまま職人仲間や社員の紹介で一気に社員が増え、経営者として何をしていいかわからず途方に暮れました。その悩みをある会員に相談したところ、「同友会に戻ってくればいいじゃん」と言われ、藁をも掴む思いで再入会を決意。そして同友会で学んだことを即実践していきますが、なかなかうまくはいきませんでした。
もう一度やり直す
ある時、会社の門型クレーンが倒れる事故が発生。会社をたたむことも頭をよぎりましたが、近隣住民の方に必死に謝る社員たちを見て、この会社を終わらせてはいけないと心に強く誓います。
また、会員の専門家に社員のカウンセリングをしてもらったところ、宇佐見氏に対して、「社長はおしつけ」、「専務の方が話やすくていい」等、多くのシグナル(悪口)をもらいました。労使の関係についても、労使見解に書いてある「家族的で人間のふれあいのある労使関係」は、会社設立時の思いそのものであると改めて気づき、必ず実現することを心に決めます。
こうして、それまでは「やってきたつもり」「良い経営者のふりをしていただけだった」と自覚した宇佐見氏は、社員に対し誠心誠意接するように自らを変えていきました。また、共育講座では指針の必要性などを社員と学び、社員が本当に会社を良くしていこうと思っていることがわかり、信頼関係も高まりました。
最後に宇佐見氏は、「他の団体にも多数所属してきましたが、自社を成長させるには同友会が一番良い会だと自信を持って薦めます」とゲストに呼び掛け、報告を締めくくりました。
この経営者の集いを通じて4名の新入会員を迎え入れることができました。