活動報告

西尾張支部例会(1月22日)

中小輝業は地域の主人公 ~正しい情勢認識から、発展へ

吉田 敬一氏  駒澤大学経済学部教授

「明確な自社の将来像を描こう」と語る吉田教授

「明確な自社の将来像を描こう」と語る吉田教授

アベノミクスの効果は限定的

西尾張支部例会を「中小輝業は地域の主人公」とのテーマで、駒澤大学の吉田敬一教授を報告者としてお招きし、開催しました。

吉田氏はアベノミクスの効果は限定的で、中小企業へのトリクルダウンも期待できないと指摘します。事実、自動車の生産量や輸出動向に変化はなく、景気や暮らし向き、信用金庫の預貸率が下がる一方であることが、数字で明示されています。また、国内で仕事が回るナショナル循環から、国家の枠組みを超えたグローバル循環へと経済モデルが変化した今では、資金は海外に流れてしまい、中小企業へ自然と巡ってくることはないといいます。

地元で資金を還流

これに対し、イタリアの対日貿易構造を引合いに出して、アメリカ型の大量生産・大量消費を旨とするグローバリズム型経済から、中小企業は一品・独自・地場を活かしたヨーロッパ型のグローカリズム経済へ転換すること。近年提唱されている「地産地消」の概念に、「地商(地元で商う)」の考え方を加え、地元でお金が還流する仕組みを作らなければいけないと、言及しました。

小規模企業基本法の制定を皮切りに、行政は中小企業の声に耳を傾け始めました。中小企業が雇用や納税などの形で地域を支えていることに、ようやく気付き始めたのです。目指すべき良い会社・経営者像を明確にすると共に、外部環境の変化を意識して、地域に欠かせない中小企業として行政と今後の連携を図っていくことが期待されていると、改めて実感することができた例会となりました。