活動報告

金融アセスだより(第100回)

条件付保証契約の活用

「経営者保証に関するガイドライン」は、経営者の個人保証について、金融機関、事業者、保証人の自主的ルールを定めたもので、平成26年2月から適用されています。この目的は、経営者保証に依存しない銀行融資を促進し、中小企業経営者の個人負担を軽減、事業展開や早期事業再生を可能にすることです。

ガイドラインの中で、停止または解除条件付保証契約の活用の検討が提案されています。停止条件付保証契約とは、主たる債務者が契約条項に違反しない限り保証契約の効力が発生しない契約であり、解除条件付保証契約とは、主たる債務者が特約条項を充たす場合に保証契約の効力を失う契約です。要するに、約束(特約条項)を守る限り、保証人は責任を負わない、とするものです。

経営者保証からの脱却

商工中金は「成長・創業支援プログラム」において、停止条件付連帯保証を導入しました。融資先と十分なリレーションがあり、事業方針や業績について詳細な開示があること等の誓約が実行されれば、代表者個人の保証責任を求めないものです。

金融庁は「経営者保証に関するガイドラインの活用に係る参考事例集」を作成し、金融機関から数多くの事例の提出を受け、広く実践されることが望ましいと考える代表的事例を掲載しています。その中で、経営者保証に依存しない融資の一層の促進について、この解除条件付保証契約や停止条件付保証契約の事例を紹介しています。

みなさんもこの停止条件付保証契約を利用し、経営者保証からの脱却を試みてはいかがでしょうか。

岩崎法律事務所  岩崎 光記