激変の時代に発展できる企業
石田 典子氏 (有)ニシカワ運輸

会外経営者51名が参加した「経営者の集い」
右も左もわからず社長に
年度末が迫るなか、経営者の集いが西三河支部で開催され、会員、ゲスト合わせ51名が参加しました。
今回は石田典子氏(ニシカワ運輸・代表取締役、豊田地区)を報告者に迎え、「激変の時代に維持・発展できる企業~中小企業家に何が求められるのか!」をテーマに学び合いました。
石田氏は、音楽教室を経営していた時、ひょんなことから運送会社の社長に就任することになってしまいます。右も左もわからないなかで、当初は好景気に支えられながら比較的順調に会社も成長していきました。
自分の甘さを痛感
そんなさなかにリーマンショックに襲われます。売上が5億円から1億9000万円まで激減し、どん底に突き落とされ、金融機関に倒産の仕方を聞きに行くなど、本気で会社をたたむことを考えたと言います。
そんな時、同友会からの情報で「中小企業金融円滑化法」の存在を知ることになります。ひとまず倒産をまぬがれたものの、自分自身の経営者としての甘さを痛感させられ、それまでは付き合い程度でしか参加していなかった同友会に、積極的に参加し、役員も引き受けていきます。
リーマンショック以後、同友会に積極的に関わるようになり、経営指針を成文化、実践するなかで、倒産の危機的状況から抜け出します。また、お金だけではない、人間としての信頼を社員との間に築き、それを基本とする企業へと転身させてきました。
同友会は情報・人情・学びの宝庫
石田氏は、この間の経営実践のなかで一番大きく変化したものは、「社員の声に耳を傾けるようになった自分自身」と話します。そして、自身が変わるきっかけになった同友会を「情報と人情、そして学びの宝庫」と参加者に語りかけ、当日参加したゲストに入会を呼びかけました。
参加者からは、「厳しい状況を言い訳にせず、社員の生活を守ることの大切さがわかった」「社会から必要とされる企業をつくるには、何よりも経営者自身が学び、変わっていくことの前提にあることが確認できた」「自分自身、社員の責任にしてしまっているところがあったが、社員が能力を発揮できないのはすべて経営者の責任であることを自覚できたので、明日から実践したい」などの前向きな意見が寄せられました。