第1分科会
経営者の覚悟 ~甘えをなくし、自立した経営者へ
高橋 尚子氏 (株)愛豊精機製作所
「49歳で主婦だった時に主人が亡くなり、右も左もわからない状態で社長になって30年近くやってこられたのは、同友会のおかげ」と断言する高橋氏。社長に就任してすぐに仕事が激減、会社を統合し希望退職を募り、事業を縮小した状態から社長業をスタートしました。その後も、ご子息が方向性の違いから退社するなど苦難が続きます。しかし、同友会と出会い、「話し合うことの大切さ」を学び、「問題は波のごとく押し寄せてくるもの」と捉え、覚悟を持って乗り越えました。
現在は、そのご子息に社長職を譲り、自身は会長として「生涯現役」を公言する高橋氏。会社では、社長の夢であった国産初のジェット機MRJに関わる難しい仕事に、「社長の夢だから」と社員の後押しで挑戦ができ、高橋氏の同友会活動の成果を垣間見ることができました。
(株)REAWILL 野々山 滋
第2分科会
家業・一人経営者から企業へ ~小規模企業経営者の課題とそこからの脱皮
黒田 功氏 (株)ケイワークス(豊橋北地区)
個人で外車の中古車買取・販売を行っていた黒田氏は、どんぶり勘定の経営だったといいます。初めての雇用や法人成りを通じて組織化を進める中、時代の変化で車が売れなくなり業績低下。黒田氏は自社の強みを考え、「日本一のキャンピングカービルダーになる」ことを決意します。
自社での内製化に取り組み自社工場・展示場を確保し、組織化・人材育成・共育を進める中で、社員の解雇や資金難も経験しながら、決断と采配で難局を乗り切ってきたといいます。その際、同友会での学びが大きな役割を果たしました。すべての判断基準は、「良い会社をつくれるか」にあり、その実践のために経営指針を作成。会社の理念を基にした自身の信念が、ぶれない姿勢を社員と共有しているとのこと。経営者の覚悟や決断が重要であると認識させられました。
(株)イー・アール・エス 服部 義雄
第3分科会
永続する会社にするために ~会社を、どう渡し引き継ぐか
辻 直樹氏 (株)マイシン(豊橋南地区)
辻氏は、前職で過酷な運送業を体験した後、マイシンに入社。17年でドライバーから社長に就任しました。それまでには、ピアスや茶髪など「雲助」といわれた運転手のイメージを変えようと、何年もかけて努力してきました。また、ただの運送でなく、お客さんの荷物を絶対的に大切にするという考え方が、先代から社長に指名される決め手になったのではないかと語ります。「若いときから社長になりたかったが度胸がなく、できなかった」と自身を語る辻氏ですが、意欲的で度量があり、夢に向かって、我慢と努力を積み重ねてきた結果だと感じました。
討論やまとめを通じ、後継者を選ぶ側も我慢や度量が必要であることや、社長から会長への報告を怠らないことの大切さを学びました。「先代はどこまでいっても偉大」と敬う辻氏の言葉からも、上に立つ者ほど感謝の心が持てる関係づくりが、会社を継続発展させる重要なポイントであると感じました。
(有)アーティストリー 水戸 勤夢
第4分科会
経営者の右腕づくり ~片腕の育て方を学ぶ
尾崎 浩一氏 (株)オプコ(東地区)
始めに、尾崎氏から「右腕をどのように認識していますか」と参加者に問いかけがありました。その上で、右腕に必要な資質として次の5つが挙げられました。(1)社長の考え方を理解し、浸透させることができる。(2)自分の立場をわきまえる(押し引きする)ことができる。(3)責任を転嫁しない。(4)会社に仕組みを作り、動かし、継続させることができる。(5)他の社員に認知されている。
尾崎氏は今回の報告をするに当たり、右腕づくりと言えば対象者の育成に主眼が置かれがちだが、実は経営者自身の能力や今後の可能性、人間力を問われているのではないか、と感じたそうです。そして「右腕づくりは経営者自身の責任と覚悟次第」との気づきを語りました。また、そういう点で、無償で行う同友会役員(支部長)の経験は、右腕づくりに重要な人間力を磨くよい経験になったと振り返りました。
(株)ドライバーサービス 瀬尾 俊史
第5分科会
社員と共に未来をつむぐ、ビジョン経営のすすめ ~「幸せを実現する企業」をめざして
永井 茂一氏 (株)ピアライフ(滋賀同友会)
赤字の不動産会社を譲り受け、借家の事務所からこつこつと業績を上げていった永井氏は、青年経営者全国交流会の基調講演での学びをきっかけに、目指したい明確な会社の将来像を描きました。そして同友会での学びを実践し、自社を「不動産にまつわる生活総合サービス業」へと進化させ、20年連続の黒字を達成。報告からは、社員がワクワクするようなビジョンを経営者が本気で考え、社員を信頼して取り組むことで、社内一丸となってビジョンへと突き進めることを学びました。
独りよがりのビジョンでは社員は生き生きと働くことはできません。「何のため」のビジョンなのかを社員と明確に共有し、共に実現することが大切です。
討論では、社員とのコミュニケーションなど課題を抱える会員もいましたが、そんな時こそ社員がワクワクするようなビジョンを持つことが重要だと気付かされました。
(株)硎谷建築積算事務所 硎谷 将紀
第6分科会
経営指針作成から同友会らしい黒字経営へ ~経営指針実践の原動力を「労使見解」から学ぶ
山田 健雄氏 (株)名栄社(西地区)
「激変する経営環境に対応し続け、挑戦してきた」と山田氏は冒頭に語りました。事業承継前までの自分は、今思うと経営者の覚悟が弱く、当時の営業部長の「勉強しても役立ててないね」の一言に焦りを感じたといいます。山田氏は机の中に眠っていた経営理念を引っ張り出し、本格的に経営指針書の成文化に取り組み、社員と共に作成・発表しました。
一歩ずつ取り組んだ結果、経営指針の全社的実践につながったといい、「経営姿勢の確立を実感している。これからも覚悟を強く持って、指針経営、理念経営を行っていきたい」と締めくくりました。
グループ討論でも経営指針の確立と全社的実践についてを話し合い、確固たる経営姿勢で「労使見解」に基づいた企業づくりを目指そうと、熱い討論が行われました。どんな経営環境にあってもぶれない座標軸、「経営指針」の実践のあり方をしっかり考え、学ぶことができました。
(株)信和電器 村井 秀匡
第7分科会
“人を生かす”その原点を探る旅 ~障害者と共に生き、働くことの意義
杉浦 昭男氏 真和建装(株)(岡崎地区)
杉浦氏は、「全ての人間には潜在能力があり、幸せになる権利がある」と恩人に励まされ、自分の能力を確かめたい一心で起業しました。しかし、経営が苦しくなるたびに劣等感に襲われ、諦めかけたこともあるといいます。
2人の障害者との出会いを通じて生きる喜びに気づき、今では障害者と一緒に働き、健常者とも共に育ち合う良い風土ができつつあると語る杉浦氏。「人間尊重」を掲げる同友会だからこそ、1人でも多くの障害者と関わり、1社でも多くが障害者を雇用し、明るい未来をつくろうと呼びかけられました。
グループ討論では、障害者と共に生き、働くことについて、自社では何ができるか、どう関わるかを、一人ひとりが具体的に考えました。
座長の徳升忍氏は、「これまで全く障害者との関わりがなかったが、少し意識を向ければ関わり合いを持てると気づいた。今後は皆さんも意識して関わってほしい」と締めくくりました。
ディディティプロダクト 長野 昭彦
第8分科会
中小企業経営と男性の働き方改革 ~少子高齢化を乗り切るために
佐藤 祐一氏 (株)羽根田商会(中区南地区)
高橋 弘茂氏 (株)TEKNIA(中川地区)
近年の少子高齢化の現状から、労働人口は減少し、中小企業の将来も厳しい環境となることが推測されます。また、男性も育児や介護と無縁ではいられない時代になるといえます。そこで第8分科会では、パネル討論形式で、ワークライフバランスの取り組みを実践する上での風土や制度づくりについて語っていただきました。
佐藤氏、高橋氏の報告を聞いて、ワークライフバランスの取り組みにおいて必要なのは、働く意欲はあるが、働くことができない社員への対応であると感じました。
グループ討論では、優秀な社員が突然、親の介護等で時間の制約が必要になったり、そうした社員が今後、増えた場合にどんな影響が出るかを予想し、社員の働き方の多様性について考えました。またワークライフバランスを進める際の課題や、各社が取り組めることを具体的に話し合いました。
すでに介護等の問題を抱えている会社もあり、数年後ではなく今、直視しなければならないことを感じました。
業界によっては、ワークライフバランスに取り組むことが難しい職種がある現実も示されました。また、ワークライフバランスを推進するには、企業として利益が出ていることが必要であることも再確認できました。
(有)豊田煙火 青山 豊
第9分科会
高齢者が輝き魅力ある企業へ ~新入社員が70歳まで働くことを目標にできる企業づくり
寺西 正明氏 渡辺精密工業(株)(熱田地区)
寺西氏が入社した当時、定年を迎えたベテランは「もうここでは働きたくない」と言って辞めていく状況だったといいます。そこで寺西氏は定年後の就業規則を作り、多様な働き方のニーズに応えます。再雇用者には正社員の時と同じ仕事内容で働くことで納得してもらいました。ベテランに誇りを持って働いてもらうことで、渡辺精密工業の強みである技術力の伝承が廻り出したのです。
新入社員→若手→中堅→ベテラン→超ベテラン(再雇用)と働き方を繋げ、技術を伝えていくことや、仕事以外でも会社で過ごすことが有意義になる仕掛けをします。そうして幸せな社員を増やすことに腐心してきた寺西氏。それは同社の経営理念「高い技術・品質を追い続け、製品・サービスを通じ、皆を幸せに」にも表れています。
高齢者に限らず、社員一人ひとりが誇りを持って働くことで、各世代の働き方が繋がります。そして社員それぞれの能力を発揮できる環境・社風をつくることが大切であり、企業の永続的な発展にもなるのだと感じました。
川口化成品(株) 川口 洋平
第10分科会
「人が育つ」採用と共育 ~魅力ある会社づくり
大野 正博氏 (有)中部製作所(南地区)
大野氏が後継者として入社した当時は、ねじの商社だった中部製作所。そこから、自社工場を持ちメーカーへと成長を遂げる過程には、経営指針に沿った計画的な新卒採用がありました。経営理念は、自分の人生哲学から会社を見たときに出てくる理念であり、経営者自らの考えを持つことで、採用時に明確なビジョンを伝えられます。また、若い社員の定着で職場が明るくなり、将来に向けての仕事ができるようになったといいます。
会社は社員の幸せ、夢の実現をするために使う「モノ」であり、会社の質は働く社員の質で評価されます。採用と共育を継続的に行い、人が育つ風土をつくることが大切です。大野氏は頑張った社員を適正に評価し、他の社員の目標となる人に育てていく風土づくりを実践されています。
経営者自身が資質を高め、想いを伝え続けること。それが共育につながり、魅力的な会社になっていきます。今後、さらに魅力ある会社に成長していくことが伝わる報告でした。
グループ討論では、魅力ある会社づくり、採用や共育について交流し、有意義で学びのある分科会になりました。
Cinnamon Sugar 寺岡 直美
第11分科会
社長の生き方が信頼関係をつくる ~社員は想いをひとつにするパートナー
橘 恭浩氏 (株)ネオライフプランニング(中村地区)
橘氏は、保険代理店の経営者として手腕を振るい、東京・大阪への進出等、成功への階段を駆け上がりました。しかし、幹部社員がライバル会社へ引き抜かれたり、生え抜き社員の退職などで東京・大阪から撤退、規模縮小を余儀なくされます。それまで「俺が、俺が」の経営で「自分のプランが一番」と思い、社員はついてくると考えていましたが、振り向けば誰もついてきておらず愕然とし、何のための経営かと悩みます。
橘氏は「人を育てる」ことができていなかったと気付き、社員と共に経営をしていくと決心し、社員と信頼関係をつくるにはどうすればいいかと試行錯誤します。まず、社長としての考え、行動、自分自身を変えること。そして社員の声に耳を傾け、仕事を任せること。立場は違えど、社員も自分も同じ人間だということにたどりつきます。
今では会社の雰囲気も良くなり、社員も増え、「社長が変われば、会社も変わる」と実感が述べられました。
(株)五島エレベーター 松田 隆宏
第12分科会
社員の成長を認め、いきいきと働く職場づくり ~成長制度を通じて目指す社員像を共有
中井 深氏 (有)中井レストラン企画(大阪同友会)
1985年創業、大阪にてベルギービールの店を展開されている中井氏。一時は不動産会社から物件を勧められるままに出店し、その要員を採用するという、言わば「店舗ありき」の多店舗展開を進めていたといいます。しかし、社員同士のいがみ合いなど様々な弊害が起きました。
あるときマネージャーからの提言で、人が育ってから出店する「人ありき」の多店舗展開へと舵を切ります。それを支えるため、「共有することで考え、気づき、自らも仲間と共に育っていく」人を理想の社員像に掲げ、社員の成長を処遇評価の軸とする「成長制度」を社内に取り入れました。たとえ成長が小さくとも評価する。その結果、社員は成長し、現在ではチャレンジ集団になったといいます。
中井氏は、経営者の最大の仕事は「成長した社員の活躍できるステージをつくること」と締めくくりました。
(株)ハートビートシステムズ 谷村 賢一郎
第13分科会
習慣、価値観の違いを認め合う、全社一丸の企業づくり ~外国人の採用、育成の取り組み
大島 良和氏 協栄産業(株)(江南・岩倉地区)
この分科会ではフォーラムで初めて外国人雇用に焦点を当て、日本の労働人口が減少する中、いかに習慣や価値観の異なる外国人を雇用し、互いを認め合い、理念を共有し、企業を発展させるかを学びました。大島氏の報告は、雇用に至る経緯から日系ブラジル人の採用、技能実習生の受け入れ環境としての社内での生け花や日本語教室、そして外国人社員を交えた指針報告会等、外国人雇用のモデルケースといえるものでした。
質疑応答では、報告を補助した社員の方が回答する場面もあり、互いを認め合う社風が垣間見られました。グループ討論では、各参加者の抽象的な疑問や不安をより具体的なものとし、それに対する学びを得ることができました。
人の移動は下から上への「逆流」であり、また、外国人を雇用するには継続性と安定性が不可欠といえます。外国人を雇用できる企業、外国人にも選ばれる企業となることを目指したいと、意を新たにした分科会でした。
櫻井行政書士事務所 櫻井 謙至
第14分科会
同友会らしい事業展開 ~パートナーと共に挑戦する海外市場
三角 武一郎氏 (株)KSP(埼玉同友会)
第14分科会では、三角氏が同友会活動を通して赤字体質から脱却し、黒字経営を実現するまでの道のりと、ベトナムでの海外展開に至る経緯が語られました。
三角氏は新規性の5%を新興市場のベトナムへ資本投下し、同友会で学んだ姿勢をベトナムでも貫き通します。そして10年越しで現地法人を設立。日本企業イオンの仕事を請け負うまでになりました。
全ての原動力の核となるのは三角氏の強い想い、何が何でもやり抜く覚悟です。会社の利益を新天地のベトナムに注ぎ込むことに、社内からは反対の声もありました。そのような中で、業績を落とさず数字は必ず達成する、ベトナムへの展開も続けるという強い想いが根底にありました。
この想いを強く持ち続ける手助けになるのが、同友会活動なのかと感じました。経営者として自分の想いを見つめ直し、それを繰り返し口にする。そして諦めずに心を強く持ち続けられる環境こそが、同友会の魅力なのだと気付かされました。
(株)アイエフピー 林 佑介
第15分科会
同友会らしい経営の実践が金融機関との信頼関係を強くする
~コンプライアンス経営で、担保や保証に頼らない資金調達を目指そう
出原 直朗氏 日研工業(株)(千種地区)
出原氏は、コンプライアンス経営の一環として、企業の倫理観を確立し透明性を高めることによって、金融機関と強い信頼関係を構築して自社の発展につなげています。最近では、新しい融資形態としてABL(動産・売掛金担保融資)を導入しており、その経緯にも触れられました。
出原氏は先代の「先は見えないもので、過去の延長線上からのみ未来が見えるもの」という場当たり的な経営を転換。自社の数字を分析して電子会計を導入し、精細な事業数値計画をもって新規事業を説明できるようにしました。このような取り組みにより、自社の明確な未来像を発信できるようになり、金融機関にもリスクを負った融資をしてもらうまでになりました。
出原氏は、金融委員会で常に学び、最新の金融情報を収集してきました。そのような姿勢も、融資実現の大きな要素であると思います。未来を描き、根拠と説得力のある説明ができる経営の力強さを教えられました。
丸正精工(株) 今吉 智彦
第16分科会
企業連携で「仕事」づくり ~地域・日本の未来をつくる
緑川 賢司氏 (株)ミナロ(神奈川同友会)
緑川氏は前職をリストラされ、人生の岐路に立った時、周囲の方々の協力のもと、チャレンジャーとしてビジョンを掲げ、会社を立ち上げました。さらに、「日本の製造業」の将来を見据えて“コマ大戦”に関わり、全国・世界へと広がっていることを、自身の経営実践と重ねて報告しました。
緑川氏の報告から学んだことは、「まずはビジョンを語れ」ということです。自社だけでなくWIN・WINの関係を築ける仲間づくりをすること。そこからの地域や日本を捉えたビジョンの大切さにつながる一連の実践は、参加者に共感や感動を与えるものでした。
分科会を通じて、これからの新たな仕事づくりは、地域に根付き、共に生きていくことが大切だと強く感じました。また、すぐに結果は出なくとも、仲間とともに「今」を変えていく行動が、やがて日本と中小企業の未来を変えることにつながるのだと確信できました。
(株)CHERRY STONE 尾ノ上 智美
第17分科会
エネルギーシフトで新しい仕事づくり・人づくり・地域づくり
~自主・民主・連帯の精神を具体的に実践する
井内 尚樹氏 名城大学経済学部産業社会学科教授
加藤 昌之氏 (株)加藤設計(千種地区)
平沼 辰雄氏 (株)リバイブ(海部・津島地区)
2015年に中小企業家同友会全国協議会は「生活・仕事・交通・住宅等に関わる熱源や電力・燃料などのエネルギー全般について、徹底した省エネに取り組み、地域暖房やコージェネレーションシステムで熱源を有効利用し、再生可能エネルギーによる地域内自給をめざすことで、中小企業の仕事と雇用を生み出し、持続可能で質の高い暮らしと仕事を総合的に地域全体で実現しようとするもの」として「エネルギーシフト」を中小企業運動の大きな柱に掲げました。
これは同友会理念「自主(生きる)・民主(暮らす)・連帯(人間らしく生きる)の精神」の具体的な実現をめざすものです。地域経済を根底で支え、人間生活をより豊かにしてきた中小企業だからこそ、率先してこの考えを企業理念に取り入れ、「持続可能」をキーワードに自主・自立の精神で長期目線の企業経営を進めていくことが肝要です。そこで第17分科会では、名城大学の井内教授から経済・社会の現状を報告。それを踏まえ、加藤設計の加藤氏とリバイブの平沼氏の先進的な事例報告から、自社での具体的な実践について考えました。
企業が生き残るには、経営資源を持続可能な地域資源にシフトし、それを最大限に利活用するよう社員と共に考える場が企業内に必要です。この認識をまずは同友会の仲間同士で広げるため、学習運動から進める必要があります。
(株)カナマル 石川 祐輔