活動報告

西三河支部例会新春の集い(1月15日)

飛躍せよ ~学びから真の実践へ

坂野 豊和氏  (株)まるは

同友会の学びの自社実践を語る坂野氏

同友会の学びの自社実践を語る坂野氏

失われかけた伝統

同友会理念と「労使見解~人を生かす経営」の実践を総合的に学ぶ機会として、西三河支部例会「新春の集い」を196名の参加で開催しました。まるはの坂野豊和氏に、同友会での学びとその実践について報告いただきました。

まるはには、1950年の創業以来、「感謝の気持ちを忘れない」「喜んでもらえることは何でもする」という伝統があります。これは創業者である祖父母の生き様そのものだといいます。

しかし一時期、「うめ乃湯」オープンをきっかけに、その伝統が失われかけました。当時の社内は多忙のあまり、お客様一人ひとりに喜んでもらう意識から遠ざかっていました。また売り上げの急増に安心し、お客様が大勢来店する状況を当たり前のことと錯覚してしまったのです。そうした変化を感じ取ったリピーターのお客様から徐々に足が遠退き、やがて地元の客足もまばらとなりました。

いい経営者とは何か

この状態に危機感を覚えた坂野氏は、顧客満足を第1に掲げ、経営者の一存で伝統を取り戻そうとしますが、社員との軋轢が生まれてしまいます。その頃に同友会に入会し、同友会理念を自身に当てはめ、「いい経営者とは何か」を自問自答し続けました。そして「社員一人ひとりが人間的に成長できる環境をつくり、社員一人ひとりの幸せを実現する責任が経営者にある」と気づきます。

坂野氏はまた、社員の幸せの実現の延長線上に、顧客満足があることにも気づきました。社内の事情をよく知る社員に「まるはを利用したい」と思ってもらえなければ、お客様に喜んでもらうことはできません。人生の大半を占める働く時間が充実してこそ幸せになれると考えながら、社員と共に、同じ人間として相互に大切にされる企業づくりを進めていると、報告を締めくくりました。