外部環境は変化する
4月に相次いで熊本で起こった大きな地震。様々な方面に大きな打撃を与えました。さらに、三菱自動車では燃費データ不正が発覚して、中小企業にも予期せぬ大きな影響が出ています。
中同協第115号同友会景況調査報告(2016年1月~3月)では、「第2次アベノミクス下で景気失速」との見出しで、はっきりと中小企業の景気失速との報告書が届きました。この背景には、円高の懸念、中国、新興国経済の減速が影響しているとされ、消費税導入後から続く消費低迷と今回の地震で、今後の不安定な景気を予測しています。外部環境の変化に私たちはどう対処すれば良いのか、考える必要があります。
金融機関との関係づくり
多くの企業は、金融機関から資金調達を行って経営し、金融機関は知り得た企業情報を蓄積します。過去の業績で判断され、一方的に格付けされた融資提案を受けるだけで終わっていないでしょうか。それでは安定した資金調達とはいえません。
金融機関を取引先のひとつと考え、良い情報もリスクの話も説明し、常に今の事業を見つめ、資金計画、利益計画と明確な経営方針を立てることが大切です。そして新しい付加価値を創造し、過去の延長線上にない市場を模索し続けることが必要といえます。そうした情報や取り組み、施策利用などを情報共有することが、金融機関とのいい関係づくりにつながるのです。
外部環境は目まぐるしく動き、予測できないものもあります。地域密着型金融機関との関係づくりを進めることこそが、いかなる状況でも支援が途絶えない関係への一歩ではないかと考えます。
日研工業(株) 出原 直朗