活動報告

金融アセスだより(第116回)

情報を精査しよう

先日の伊勢志摩サミットで安倍首相が世界経済の現状について、「リーマンショック前と似た状況にある」と発言したことが話題になりました。

リーマンショックの前、弊社は金融機関から多額の借入をし、土地を仕入れ住宅用地に造成し販売していました。仕入れればどんどん売れる状況で、金融機関もいくらでも貸してくれました。当時の政府やマスコミは、リーマンブラザーズが倒産したときも日本には影響がないと言っていましたが、結果はご承知の通りです。

さて、現在の景気状況は本当にリーマンショック前と似ているのでしょうか。マスコミや、自分にとって都合の良い情報だけを鵜呑みにせず、同友会会員など身近な仲間からも情報を集め、よくよく考えることが大切と思います。

金融機関との関わり

私は毎月1回、2庫の信用金庫担当者と30分以上話をします。マクロ経済のこと、自社や業界の現状、肌感覚で感じていることなど。信金担当者からは、地域経済の実状などを教えていただきます。この10年でおつきあいする金融機関や話す内容が変わりました。人を雇用するようになり、描く将来像も変わりましたが、それらの根本には情報収集の変化があります。

信金担当者とコミュニケーションを密にすることで定性評価が上がるという効果がありますが、それ以上に経営判断に資する情報が増え、業績が上がり、定量評価も上がったことが大きいです。「同友会らしい先見企業」は、信用できる情報を集め、分析し、判断することが第一歩といえます。

安藤不動産  安藤 寿