活動報告

労務労働委員会(7月13日)

人を生かす経営

碓井 稔氏   (株)サンキ

10名が参加した労使見解学習会

「人を生かす経営」とのテーマで労使見解の学習会が行われ、サンキの碓井稔氏に報告いただきました。

怠慢経営からの脱却

碓井氏は、1977年に気心の知れた友人と測量会社を設立し、がむしゃらに働きました。しかし、赤字を出すと給料・ボーナスなしという場当たり的な経営であったため、「健康保険、厚生年金、保障のない会社では安心して働けない」と退社する社員も多く、これらが常態化する怠慢経営を脱却しようと、労働環境改善に努めるようになりました。

まず、3年後の達成を念頭に、社員のニーズから具体的な方針を掲げ行動に移します。週休2日制度も、実施して潰れた企業はないと聞き導入。バブル期という時代も後押しし、全社員を対象に給料アップをしてきました。

また、時代に対応する企業をめざし、同業他社が官庁主体の仕事をする中、大手ゼネコン中心で工事の測量に特化。人を育てるため、社員に資格を取らせ、一人ひとりが稼げるようにと社員との関わり方を変えていきました。

働き方を考える

仕事では、何カ月も掛けて1つの現場が完成するまで担当者はつきっきりになります。社風としても、やればやっただけ給料がもらえる体制でしたが、長時間労働も含め、働き方を見直す時期に差し掛かっています。

現在、社員数62名で、遠方の現場に出ている社員とはほとんど顔を合わせることがありません。帰属意識が芽生えづらい状況の中で全社一丸体制を築くことに難しさを感じています。経営指針に基づく全員参加型経営を進める上でも、社員の自主性を尊重し、平等な人間観の下で社員の能力を最大限開花させる取り組みが必要です。

今後、派遣会社、現場仕事メインの職人集団、独立志望で資格を要する業種に関しても働き方が多様化していく中で、経営者としてそれらの社員とどのように向き合い、ビジョンを共有していくかが問われています。