活動報告

金融アセスだより(第118回)

会社の健康状態を把握

昨年末より景況感は下がり始め、日銀は今年初め、マイナス金利という異次元の緩和を導入。金融機関の収益は減るため、金融機関の中小企業に対する見方も厳しくなっています。

これまで、金融機関と中小企業のリレーションシップバンキングには、金融機関が企業の技術力や販売力等の定性面の勘案を含め、事業価値を適切に見極める能力を発揮することがカギであり、経営者は自社の健康状態や事業性を説明することが大切だと言われてきました。しかし双方の理解度に溝があり、金融機関の指標による一方的なスコアリングは、私たちに有利には働きません。

そうした中、今年7月に「中小企業等経営強化法」が施行され、「経営力向上計画」が認定された企業はさまざまな金融支援が受けられるようになりました。認定を受けるには、人材育成、コスト管理のマネジメントや設備投資など、事業者の生産性を向上させるための取り組み内容を計画化し提出します。

自社の健康診断には「ローカルベンチマーク(ロカベン)」を活用します。項目は、基本的な財務情報のほか、経営者・事業・関係者・内部管理体制の4つに関わる非財務情報から構成されています。私たちが取り組む経営指針の成文化こそが重要な非財務情報であり、中小企業の稼ぐ力を強化するチャンスです。

日研工業(株)  出原 直朗