活動報告

西尾張支部例会(8月29日)

共育ができる会社

佐藤 祐一氏  (株)羽根田商会

「共育」の原点である「労使見解」を語る佐藤氏

「共育」の原点を考える

代表理事の佐藤祐一氏を報告者に迎え、西尾張支部例会が開催されました。

佐藤氏は、同友会会員が目指す社員共育は、一般企業が行う社員教育とは異なると話します。一般企業では、自社の利益になるように社員を育てますが、私たちが行う社員共育は、社員の幸せを願い、共に各個人の成長を目指すものだとその違いを説明しました。

また「共育」を「教育」との対比で理解するのではなく、その原点が「労使見解」、すなわち人を生かすことにあると気付き、「共育」が腹に落ちたと経験を語りました。

労使の対等な関係を築く

「労使見解」には、「労使は相互に独立した人格と権利を持った対等な関係にある」と書かれています。では、対等な関係はどのようにして築くのでしょうか。

それには、まず経営者が自らの責任と役割を果たすこと。そして社員から信頼され、経営理念を通して同じ方向を向き、共に歩むことで、経営者と社員はパートナーと呼べる関係になります。その結果として、全社一丸体制を築くことができるのです。

また佐藤氏は、「鬼と金棒」の例えに触れました。大きな金棒(知識、スキル)を扱うためには、まず鬼(考え方、人間性)を強くする必要があること。その人間性は、自ら考えてこそ磨かれるとして、「何のために働くのか」を考える大切さを説きました。

その上で知識やスキルを身につけることで、「大きくて強い鬼」、つまり周りの人に頼られ、生き生きと働く社員が育つといいます。こうした「社員が成長できる場」を提供することは、経営者の責任であると語りました。

三位一体の土台とは

同友会では「指針・採用・共育」を一体で行う「三位一体の経営」の実践を呼びかけています。その土台は「労使見解」、「人間尊重(自主・民主・連帯の精神)」という考え方であり、この2つの土台こそが、同友会を同友会たらしめているものです。

この土台の確立が、「共育」に取り組む第一歩だといえます。「労使見解」から学び、人間尊重の経営を実践していくことで、経営者と社員が共に育つ会社になるとして、報告を締めくくりました。