活動報告

労務労働委員会、障害者自立応援委員会
合同学習会(8月17日)

安心して働ける環境づくり
~我が社の障害者雇用の体験から

吉田 幸隆氏  エバー(株)

自社での取り組みや気付きを語る吉田氏

労務労働委員会と障害者自立応援委員会による合同学習会が開催され、21名が参加しました。「誰もが安心して働ける環境づくり」と題し、エバーの吉田幸隆氏が自社の障害者雇用の取り組みを報告しました。その概要を紹介します。

お客様扱いだった社員

我が社が前向きに障害者雇用に踏み出したのは、リーマンショック後の人手不足問題にぶつかってからです。障害者の雇用面接会で、会社説明を聞く人たちの「働きたい」という熱意に触れ、1名を採用しました。しかし、障害への理解不足と受入体制の弱さから、その人は3カ月で退職となりました。

社員と改善を話し合い、1年後に聴覚障害の女性を採用しました。今年の経営指針発表会を終えたとき、彼女から「私が発表会に参加する意味はあるのか」と問われ、わかりやすい説明を心がけたつもりでも伝わっていないことに気づきました。

振り返れば、新卒採用では理念・方針・計画を説明して雇用するのに対し、中途や派遣、パートや障害者には、働く場を提供するに留まっていました。「やれることだけやってくれればよい」とお客様扱いをしていたのです。

雇用はボランティアではない

今より少しチャレンジできる環境に身を置いてこそ人は能力を開花し、あてにし任せてこそ自分の存在意義を見出すことができます。また、自ら育つ環境をどうつくっていくのかも重要です。

障害者雇用はボランティアではありません。働くことと生きることをつなぎ合わせ、社員のライフビジョンまで考え経営していくことが求められます。今は短時間労働で月収10万円程度というのが実情で、このままでは将来、親亡き後の自立はむずかしく、今後の課題です。

経営者として成長する覚悟と、障害の有無に関わらずその人の持ち味を生かす責任の大切さを感じています。