活動報告

西尾張支部 経営者の集い(10月24日)

未来を見据え地域に生きる
~自立した次代のリーダーへ

吉田 昌容始氏  (株)エースベーキング

自社を取り巻く環境を説明する吉田氏

自社を取り巻く環境を説明する吉田氏

思いが空回りして

西尾張支部「経営者の集い」が開催され、エースベーキングの吉田昌容始氏に報告いただきました。

吉田氏は入社当時、前職での経験や会社の状況から「自分が会社を変えなければ」と意気込み、誰よりも働きました。同友会への入会も、売上を上げるノウハウを学べるのではとの期待からです。経営指針と出合い、作成して会社の雰囲気は一時的に良くなりますが、会社は変わらず、数字を出さずに要望ばかり言う社員に苛立ちを覚えました。

そんな中、リーマンショックを受けて社員の給料を削減しようとしたところ、労働組合が結成されます。組合のトップは信頼していた社員であり、裏切られた気分で一杯でした。先輩会員の勧めで「人を生かす経営(労使見解)」を読みましたが、なぜ頑張っている自分がこんな目に遭うのかと、納得できない思いがあったといいます。

企業風土を変える

しかし、友人の死や娘の誕生を経験し、人は何のために生きるのかを考え始めました。また、同友会で経営者も社員も人として対等ということに気付かされ、社員は売上のための駒ではなく、共に会社を良くしていくパートナーと考えるようになります。

10年かけて企業風土を変えようと、新卒採用やインターンシップの受入れを始めますが、採用しても社員がすぐに辞めてしまい、新卒採用を諦めかけたこともありました。しかし、若手社員と指導する先輩社員が互いに成長し合う姿を目の当たりにし、「共育」の大切さを実感します。そこから若手社員とも指針を共有し、仕事を通してなりたい将来像を描いてほしいと意識し始め、今は改善に向かっているそうです。

経営者としての義務感ではなく、心の底から「社員を幸せにする」と思えるようになったことが、一番の変化だと語る吉田氏。今後も失敗を恐れず学びを実践し続け、会社を変えていきたいと述べ、報告を結びました。