活動報告

同友会らしい経営指針「作成編」オープンセミナー(5月17日)

時代の変化を乗り越える

丸山 博氏  (有)第一コンサルティング・オブ・ビジネス(東京同友会)

全国の指針講座で活躍する丸山氏

今年7月から始まる同友会らしい経営指針「作成編」。講師には、同友会理念や労使見解、中小企業憲章への理解が深く、全国で活躍される丸山博氏(東京同友会)を迎えます。そのオープンセミナーが、150名の満席で催されました。

情勢認識、経営者に求められる思考と行動、人類史と仕事観、企業とは何か、中小企業の経営戦略、仲間の事例など、多岐にわたって本質に迫る指摘や問いかけがありました。その一部をご紹介します。

不確実性が強まり、情勢を見極める

米トランプ政権、EUの動向など、これほど極右政党が台頭するのは100年で初めてのことです。何が起こっているのか。自由主義経済の行き詰まりから大衆の不安と不満が渦巻き、パワーバランスが崩れる大激動の幕開けが予測されるといいます。それは地域紛争、民族対立など、アイデンティティ(存在意義)喪失の時代ともいえます。

日本の実感なき景気回復、「働き方改革」は非正規・低賃金を増やして、格差を拡大させています。一方、少子高齢化の進行は、必ずしもGDPを下げません。人々の心理や社会はどう動くのか。技術革新も総ての枠組みを覆し始めたと指摘します。

同じ事象も、見る角度によって全く異なります。何にでも好奇心旺盛に興味関心を持ち、「なぜ」と考え、メモをし、また考えることで更に興味が深まる。チャンスや潜在ニーズは常に目の前にあるのに、見逃しているのです。アンテナとそれを捉える思考セオリーを、自分のものにする必要があるといいます。

「極める」「高く売る」「次元を変える」

「わが社はどんな人たちをどのように幸せにするお役立ちをしているのか」。わが社で働く人を幸せにできるのは、高収益・高付加価値企業です。働きがいと安心感のある会社風土。粗利を上げ生産性を高めるため、真の「強み」を見出し磨き上げ、次元を変えて競争条件を変えます。それを徹底するのです。

異業種仲間の事例を本質まで掘り下げてまねをし、組み合わせることがヒントです。現象だけをまねてはいけません。またローテクの組み合わせでも勝負できます。遅れた中小企業こそ、超先進トップランナーになる可能性は無限大とまとめました。