活動報告

労務労働委員会(11月8日)

ホワイト企業を目指す

指針と就業規則を一緒に考えていく重要性を語る辻氏

辻 孝太郎氏  昭和鋼機(株)

実態に即した規則へ

11月の労務労働委員会では昭和鋼機の辻孝太郎氏に報告いただき、22名が参加しました。同社は機械設計から電気設計、メンテナンス工事、製造までの一貫したサービスを提供しています。辻氏は2代目として代表取締役に就任し、同業の経営者の「同友会会員であれば、ホワイト企業を目指さなければいけない」との言葉に感銘を受け、ここ数年で社内改善に取り組んでいます。

実態と就業規則との乖離を埋めるため、公平な職場環境づくりを心掛けています。就業規則があいまいだと、社員との信頼関係にも影響が出ると考え、給与計算を30分から15分単位に変更。最終的には1分単位を目指しています。また、朝礼に終礼を加えて社員が交流する場を設け、PDCAのチェック機能が働くようにして仕事のメリハリを意識しています。

「やらされ感」をなくす

今年から幹部社員を中心にプロジェクト会を発足し、社員の頑張りを評価する仕組みとして人事評価制度を作成中です。以前は「休まず働く」という判断基準しかなかったため、定量化できる項目を追加。社員の理解と納得を得るために試行期間を設け、3年を目途に昇給、給料に連動させる予定です。

また、社員の尊厳や貢献度を考え、終身雇用制を基調とした日本の文化を重んじながら、永年勤続を奨励する目的で退職金制度も手厚くしています。

方針・計画は「やらされ感」のないよう、作成の段階から社員と作っていくことを重要視しています。理念を達成する方針になっていること、すべてが就業規則に基づいていることを意識し、社員の声や視点を入れながら、2030年の目指すべき姿をすり合わせていきます。

辻氏は2014年から手探りで指針書を作成していますが、経営者1人でやっていくことに限界を感じ、ワンマン経営からの脱却を図っています。

「今いる社員が安心して働けなければ、新しい人も採用できない。社員と共に、より良い職場環境をつくっていきたい」とまとめました。