活動報告

金融委員会(1月9日)

再生への道のり
~社員と共にビジョン経営

青野 徹氏  (株)ハンズコーポレーション

社員が作ったビデオに見入る

危機からの復活

金融委員会では今年度「事業性評価」「ローカルベンチマーク」を中心に学習会を重ね、今回は青野徹氏に会社再生と事業性評価、これからの展望を報告いただきました。

事業拡大を続けてきた青野氏ですが、突然に前社長から多額の負債を引き継ぐ状況に陥りました。詐欺や裁判沙汰など今回は自力では無理と判断し、愛知県よろず支援拠点へ相談し、再建への意志を固め民事再生法専門のプロの方に支援を取り付けました。

また、以前は経営指針を軽く見ていたと語る青野氏ですが、今回は自分一人や一部の幹部だけでは乗り切れないと判断。全社員の力を借りて危機を克服するために、現状認識として危機感を共有し、「ビジョン」を持つ必要性を痛感したと語ります。

ビジョンの策定

青野氏は全社員の前で謝り、ありのままの現状を説明し、今後への展望と思いを伝えました。社員は真剣に耳を傾け数字を見つめ、どうすべきかを考えてくれたそうです。自分の給料を半減し、従業員の給料や人員の削減は行わず、効果的な人材配置で不採算店を10数店舗閉鎖。テナント料金の交渉や、経費やロス等の見直しを徹底して、全社員の努力により営業利益の改善や売上アップなどの成果に繋げることができました。

そんな事業計画を進める青野氏に、第二地銀が着目。多数行借入で厳しい資金繰りについて、借り入れの組み直しと新規資金提供の提案を受けます。いわゆる事業性評価によるリレーションシップバンキングです。支援機関、専門家、リーダー金融機関により調整が進められ、青野氏は実行に踏み切りました。

また経営革新計画も策定し、今後はオリンピックアスレチックトレーナーの養成や派遣、スポーツイベントや健康イベントの開催など、既存店にお客さんが流れてくるスキームを構築しながら差別化に奮闘中です。