活動報告

労務労働委員会(6月11日)

働きやすい労働環境を目指して
~就業時間と休憩時間、休暇

本山 景一氏  (株)エスクリエイト
秋山 伸生氏  社会保険労務士 あゆむOFFICE

就業規則の作成や社員への伝え方について考える

誠実な遵守を心がける

6月度労務労働委員会では、就業時間や休憩時間・休憩についての取り組みについてエスクリエイトの本山景一氏に自社実践を、それを受けて秋山伸生氏に社労士の立場から報告いただきました。

本山氏は自動車部品や工作機械メーカーのソフトウェア開発を行っています。独立・開業するにあたり、以前勤めていた会社が社員に対する誠実さに欠ける面があったので、就業規則が会社にあり、それを誠実に遵守しようと思っていたといいます。同社の特徴としては、新入社員にも有給休暇が入社後すぐに付与されることや時間有給を取得できること。慶弔休暇以外にも、過去に裁判員制度に呼ばれた社員がいたことから特別休暇を設けています。これは、安心して行ってほしいという気持ちからです。

これまで10回近く就業規則の改定を行ってきた本山氏。今後は、時代の大きな変化から就業規則の大幅な変更が予想されます。新入社員には納得した形で入社してほしいということと、社員の意見を聞きながら労働環境の改善へ取り組んでいきたいと語りました。

労使で共に改善を

続いて、秋山氏からは就業規則についての基本的な考え方を押さえつつ、本山氏の報告からポイントを3つにまとめて話されました。

まず1つ目は、何のために就業規則を作成し、それをどう利用するのかを明確にすること。2つ目は、経営者が社員と共に労働環境を良くしていこうとする姿勢を持つこと。最後に、権利と義務を社員にしっかりと伝えていくことです。

就業規則に明記すると、社員からの権利の主張が心配という経営者の声はよく聞かれますが、権利の行使のためには義務の履行もきちんと社員へ伝えることが大切です。そのためにも、服務規程を定めたり労働時間とは何かを明確にしたりするなど、社員の権利だけではなく会社側がどういう働きをしてほしいのかを伝えることで、意味のある就業規則になるのではないかと締めくくりました。

その後は、参加者の企業での有給休暇に対する考え方や、経営者と社員の意識の差について率直な意見が出され、質疑応答も含めて活発な議論が行われました。