誰もが必要とされる存在に
浅井 順一
障害者自立応援委員長、(株)浅井製作所代表取締役
働く喜びを
自社で障害者雇用を始めたのは6年前になります。それまで内職として出していた障害者事業所の方から、直接雇用ができないかというお話があったのがきっかけです。何ができるか考えていたところ、社員からの提案で通い箱の整理や中の掃除をしてもらうことになりました。
最初の2カ月は指導員を付けての半日勤務でしたが、社員に感謝され、あてにされることで一生懸命に取り組み、めきめきと成長していきました。現在は3名の障害者を雇用しています。彼らの能力を引き出し、成長させていくことで、社員からは「いなくては困る」という大切な存在になっています。
自社は社員数が90名を超え、障害者のほかにも外国人研修生や中国からの技術者など、様々なバックグラウンドを持つ社員が働いています。障害の有無にかかわらず、仕事を通してどう成長してほしいのかを大切にして社員を採用しており、入社後はそれぞれが「必要とされる存在」となることが「働く喜び」に繋がると思います。
ぶれない理念を持つ
私は常日頃、「チームとして仕事をしよう」と社員に伝えています。様々な工程を経て1つの製品ができますので、1人だけが突出して仕事ができたとしても良い物は作れません。全員が同じ目標に向かって協力することで良い製品が生まれ、お客さまの信頼に繋がるのです。
業務拡張に伴う新工場が本格稼働し、トイレの整備や食堂の設置など、社員の要望に応えて働きやすい環境を整えました。一方で、常に様々な課題に向き合いながら経営しているのも事実です。人間は、ジャンプする前に一度屈みます。会社も同じで、飛躍するにはまず社内をしっかりと見つめることが大切だと思います。
折に触れて労使見解を読み、自社に照らし合わせ、私自身がぶれない理念を持つことで、働く社員と共に歩んでいけるような永続企業を目指していきます。