活動報告

私たちが目指す「働き方」とは? ~イキイキと働ける企業づくり(9)

自分の生き方を考えられる会社に

磯村 裕子
協働共生委員長、サン樹脂(株)常務取締役

磯村 裕子氏

10年後の目指す姿

弊社では2018年から「10年ビジョン」づくりに取り組んでおり、今期中に作成し来期(2020年3月)に発表する予定です。10年後に弊社を中心的に支えるであろう30歳前後の社員4名でプロジェクトチームを組み、経営者はところどころでバックアップする形で進めております。しかし、とても難航しています。

まずメンバーで10年後を想像してみましたが、どうも浅く感じられ、全社員に力を借りることにしました。「10年後、あなたはどんな姿になっていたいですか(会社とプライベート両方)」という質問に答えてもらい、それをまとめ上げようと考えました。全員答えてくれましたが、それでは作れませんでした。なぜなら10歳年を取っただけの今の自分の姿を描いている社員がほとんどで、「改革」を望んでいる意見がほとんど無かったからです。

働くことは生きること

「働き方改革」の主語は誰でしょう。国が進めていて実際には企業が動いている今の「働き方改革」は、「働かせ方改革」です。働き方を変えるには、働かせ方も改めなければならないことは道理です。働き方改革実行計画(2017年3月決定)の中で「働き方改革」の目的は、「働く方一人ひとりが、より良い将来の展望を持ち得るようにすること」と謳われています。働かせ方も大事ですが、働く人一人ひとりがこうしたい、こうなりたいとこれからの働き方を考え、改革することはより大事だと思います。

翻って経営者自身、これからの働き方を考えたことはありますか。弊社でビジョンが描けないのは、もしかすると経営者が考え、改革するつもりがないのかもしれません。働くことは、生きることに直結しています。だとすると、自分の生き方をしっかり考えることができる場としての会社が必要なのではないでしょうか。今はまだ弊社はそうなっていないようですが、今後そういう場である会社をつくっていきたいです。