活動報告

名古屋第5支部合同例会「変化を恐れるな」(2月18日)

根拠ある経営計画の実践

太田 厚氏  (株)太田電工社

「どのような時も5%のチャレンジが大切」と太田氏

「待ちの経営」から「攻めの経営」へ

2月の名古屋第5支部合同例会では、電気設備工事業、コンピュータ関連の通信事業、モバイル工事業の3事業に携わる太田電工社の太田厚氏に、情勢を掴み経営計画に活かす実践について報告いただきました。

太田氏は同友会で学ぶ中で、経営の柱としての事業領域を電気工事業の1つから、通信工事業とモバイル工事業の2つを加えて多角的に展開させました。これは、お客様からの情報だけしか見ない「待ちの経営」から、社会の現状や将来について情報を掴み、会社の未来を考える「攻めの経営」に切り替えた結果だといいます。その変化の背景には、同友会でアドバイスをもらい、多くの経営者と出会い、会社を直接見ることを通して自社を考えた時に感じた「自社は今のままで本当にいいのか」という危機感がありました。

それまでの太田氏は、社員に任せず全て自分でやるプレイングマネージャーになっており、「自分はしっかりと仕事ができている」という感覚でいたといいます。この状況から抜け出すためにまず考えたことは、プレイングマネージャーと1社下請けからの脱却でした。

「攻めの経営」で事業展開

社会と経済の流れを読み取る

具体的に何をしたかというと、各省庁の概算要求や補正予算、税制大綱など、政府の指針を自社の経営計画に織り込みました。また同友会の「景況調査」からは投資と採用に適した時機はいつかを読み解くようになりました。

このようにして経済の動きを掴み、事業の長期的な方針と短期的な狙い目を考えた事業展開を経営計画に盛り込んできた結果、1社に依存していた状態から、多くても1社20%に変わり、自己資本比率も大幅に改善しました。

自立型企業を目指す

同友会が提唱する「21世紀型企業」としての「自立型企業」になるには、情勢を分析して経営計画にまで活かすことが大切です。太田氏は、それに加えて、(1)データから情報を読み取り、自社の仕事をどうつくるかを考えること、(2)どのような時にも新たな方向へ5%だけでも意識を向ける「5%のチャレンジ」志向、(3)景気が良い時も用心を怠らずに次の準備をする「居安思危(きょあんしき)」の姿勢が必要だと話しました。

かつて日本主導だった分野も、アメリカ・中国主導へと経済・社会構造は変わってきています。「自分たちではどうしようもない外部環境の中で、私たち中小企業それぞれがどうするかを常に考えていきましょう」と報告を締めくくりました。