活動報告

西尾張支部合同例会(1月30日)

成長を加速させる組織作り
~自発性、創造性のある社員は企業発展を加速させるカギ

丹羽 昭夫氏  (有)宝製作所

宝製作所の経営理念

危機的状況をばねに

西尾張支部例会は宝製作所の丹羽昭夫氏を報告者に迎えて開催されました。

1999年、先代である父が入院し、丹羽氏は急遽34歳で経営者になりました。当時、経営者の仕事は売上げと利益を確保し、社員に還元することだと考えていたといいます。社員は自分より年上の職人集団で、欠員が出れば採用を行うという場当たり的な採用をしていたため、退職も続き、年齢も経験も異なる集団で人間関係を築くことが難しい状況でした。

同友会に入会して数年後、売上げの半分を占める客先が倒産。何のために経営するのかと指針書を成文化、経営理念に「地域社会への貢献」を明記し、地元中学校から職場体験の受け入れへの声がかかるようにもなります。

自発性・創造性を発揮できる環境づくり

リーマンショック時、「経営者は私財をなげうって人生を懸けている」と、つい前工場長に漏らした丹羽氏。すると、「人生を懸けているのは社員も同じだ」と返され、社員に対する考え方を改めたといいます。

仕事を通じて社会の役に立てていることが実感できるよう伝えることに努め、社員一人ひとりが「自分で考える」ことを尊重。高齢化が進んでいた集団の若返りを図るため、厳しい状況下だからこそ新卒採用に踏み切ります。人はすぐには育たないため、忙しくない時こそ採用と共育を続けてきた結果、社員の平均年齢は35歳となり、先輩後輩の共に育つ、助け合う風土が醸成されてきました。

また、リーマンショックの前年から経営指針発表会と社内委員会活動を開始。問題の改善や新しいことへの挑戦は全社員と共に行うよう取り組んできました。14年前に始めた指針発表会から言い続けてきた新工場建設は、当初の予定より大きな規模で実現。その際、継続的に関係を築いてきた金融機関や地元行政からの応援もあり、無事に竣工することができました。

安心して働くことのできる職場環境を担保し、社員と共にビジョンを描き、自発性や創造性を発揮できる共育の連鎖を続けていくことが大切だと報告を締めくくりました。