活動報告

経営指針実践編 最終第6回(1月20日)

社員に求める前に“社長が社長の仕事をする”

毎回、丸1日膝をつき合わせて討議する

2023年度の経営指針実践編の最終回では経営計画について学び、馬場愼一郎氏が参加者に向けて冒頭解説を行いました。

意思と覚悟を伝えよう

社長の仕事は、明日の仕事をすること。自社の将来を客観的な数字と整合性ある論理で明確に示すことが必要です。自社の存在理由や事業の必然性を社員に説明することも重要です。

今の段階ではわからない部分や不明点も、社員には明確に開示することが重要です。初期段階では、何よりも経営者の意思と覚悟を明確に示すことが不可欠です。この覚悟があれば、社員の協力は得られるでしょう。少々の不出来な部分もカバーできます。経営者ならば、わかるまでやるし、時間が無ければ寝なければ良いと思います。セグメント別の粗利率や売上量といった計画とのブレを早く把握し、適切な対策を講じることが求められます。

人件費5%アップ、数年後は150%増で

次に、杉浦多恵氏がキャッシュフロー計画の事例を紹介しました。

投資計画と利益、固定費、人員計画、手元流動性の関係をシミュレーションし、数値計画と行動計画を連動させました。賃金5%アップの継続も見込み、数年後の人件費は150%増です。これらは貸借対照表から逆算した利益計画表です。

社員と一緒に

後半では、辻孝太郎氏が計画の実効性を高める行動計画の具体化や社員との共育ちについて、津田康行氏が情報公開と経理公開について、実践報告による問題提起をしました。

そして、2年目参加者の草間一成氏と伊藤大介氏は、経営指針をどのように進めているか現在までの進捗状況を発表。スピード感と社員を巻き込んだ取り組みは、参加者の共感と意欲を高めました。

自社と環境の現状認識

今回のテーマは経営計画でしたが、計画の策定には実践編第5回で取り上げた戦略的経営方針の検討が前提となります。経営理念と同等に重要であり、経営指針の要でもあります。

自社の属する業界の特徴や構造、自社の立ち位置や課題、顧客や市場の変化などについての分析が必要です。第5回では、高橋慶氏より業界特性や取り巻く情勢と変化、自社の特長と挑戦の可能性を模索しながら実施してきた経緯が報告され、さまざまな視点から自社を見直す討議を行いました。

作成編5月14日スタート(5月下旬申込締切)

愛知同友会には、経営指針の学び場が多くあります。経営指針とは何かを知る入門編で留まっていては進みません。経営指針作成編や経営数字の基礎学習など、さまざまな学びの機会が提供されています。これらの学びを通じて、地域社会に貢献し、注目されるフロントランナー型企業を目指しましょう。

経営指針作成編は、同友会理念の考えや『労使見解』の解説、そして世界情勢や歴史や社会など幅広い知見と戦略アプローチへの事例やヒントが豊富に学べます。オンラインとリアル(対面)を組み合わせたセミナー&討議形式で開催し、参加しやすく多数の受講が可能です。この機会を上手く活用されますよう、会員および役員皆様のご参加をお待ちしています。