同友会役員とは
~学びを実践する姿で運動をリードする存在
加藤 明彦氏 エイベックス(株)
第23期同友会役員研修大学・修了式(公開講座)での加藤明彦氏の報告概要を紹介します。
「同友会ごっこ」になっていないか
同友会役員として私が心がけてきたことは、第1に、「先輩経営者の貴重な経営体験・思想を素直に信じて学ぶ」こと、自己流に解釈をした「勝手な経営・同友会活動」をしないこと、です。かつて私は、自分がいちばん正しい、優れている、との自信過剰により、自社を社員が育たない・任せられない会社にしていたのです。
第2に、「『同友会ごっこ』をやっていないか」。それは、学んだつもり・言葉だけで、実践が伴わない経営をしていないか、と省みることです。経営実践を「同友会の学び」で整理して、語ることで初めて成長します。それが、「同友会運動と企業経営は不離一体」だといえます。
第3に、「同友会の学びや言葉を自分の腹の中に吸収して、自分の言葉として吐き出しているか」です。
第4に、「中同協や県の総会議案書は自社の経営課題と捉え、読み尽くし、経営指針書に反映させる」ことです。これにより私は、「人づくり」が企業発展の鍵であると理解でき、人づくりにより、地域からあてにされる企業づくりをめざすようになりました。
経営者として自ら学び伝える力を養う
同友会は、言葉にこだわります。「人財」ではなく「人材」、「労資」ではなく「労使」、「教育」と言わず「共育」、と言っています。1つ1つの言葉には、同友会が歴史的に議論を重ねてきた考え方が反映されています。言葉の意味を正確に理解するために、同友会の歴史を学び、同友会用語を1つ1つ理解していきました。
私は、同友会での学びのおかげで経営姿勢が変わったと思っています。何事も「主体的に考え、自主的に行動する」のは経営者が率先して行うものだと教えられ、同友会会員としての役目は、経営者として自ら学び、自ら伝えていく力を持つことだ、と気づきました。そのとき、私は同友会運動への確信を深めました。
『同友会運動』は、「3つの目的」を掲げ、自主・民主・連帯の精神に立ち、「国民や地域と共に歩む」姿勢を貫き、その創造的実践によって時代とともに発展をとげてきました。『同友会らしさ』とは、「人間を尊重する企業づくり」そのものであり、「人を生かす経営」をして、「人が生きる社会」をつくっていく壮大な運動です。
1年間この講座を受講された皆さんがこれから役員として同友会運動に取り組んでいかれることを願っています。