活動報告

名古屋第2支部合同例会(8月25日)

同友会なら指針でしょ!!
~経営指針の作成と活用

神谷 和憲氏  (株)クリエイト
中川 智士氏  CSホームズ(株)

指針の解説をする神谷氏

経営指針は「羅針盤」

名古屋第2支部合同例会が会員増強・経営指針のコラボ企画として開催され、経営指針の解説でクリエイトの神谷和憲氏(千種地区)と、実践報告でCSホームズの中川智士氏(名東地区)が登壇しました。

神谷氏は支部の経営指針責任者として指針の解説を行い、指針がいかに大切なものかを「経営」という文字からひもとき、指針の機能を合理的かつ具体的に解説しました。経営指針を羅針盤にたとえ、指針としての全体像を示した上で、「労使見解」に基づいた社員との良好な信頼関係の構築や、組織の社会的正当性の確立などが網羅的に説明され、非常に理解しやすい内容でした。「経営指針」という言葉に馴染みの薄いゲストにも、その重要性が伝わったと考えられます。

経営指針は同友会でもよく用いられるキーワードの1つです。今回の解説では、特に社員との信頼構築や経営環境(特に外部環境)に焦点が当てられ、指針が会社と社員を安心・安全に導く羅針盤であることが明確に示されました。社員との良好な信頼関係や社会的正当性の確立といったキーワードが印象に残る解説でした。

実践報告を行う中川氏

「経営指針を社員と作る」の意味とは

中川氏の報告は、同友会ならではの経営実践報告でした。起業までの想い、現在の経営理念、経営指針作成に至る経緯、そしてそれを社員と共有するまでの取り組みが報告されました。

同友会では「経営指針は社員と一緒に作る」「なかなか浸透しない」といった言葉をよく耳にします。中川氏は社員と共に経営指針を作り、それを浸透・共有できているとのことでした。

今回の報告を受け、私の理解していた「社員と作る」の概念が異なっていたように感じました。

「社員と作る」とは成果物としての指針を社員と作ることのみではなく、作成過程において社員とコミュニケーションを重ね、社長の想いを伝え、社員の想いを拾い上げ、原点や理想、目指すべき姿を共有する作業そのものに価値がある、ということに気づくことができました。

ゲストの入会や経営指針入門編の参加にもつながり、学びのある例会に

相互理解と浸透の鍵はコミュニケーション

単に社長のラフをベースに社員と一緒に続きを作るのではなく、なぜ指針を作るのかという前提から丁寧に理解を得た上でのコミュニケーションが重要で、その繰り返しこそが相互理解と浸透につながる、と理解しました。社員数が多い場合はこの限りではないでしょうが、それでも1人1人との丁寧なコミュニケーションが指針作成の肝であり、浸透への第一歩であると感じられました。

合同例会は普段顔を合わせる機会の少ない会員との交流の場にもなり、討論が盛り上がったという声が多く聞かれました。新たな交流が生まれる機会であり、解説・報告ともに分かりやすく有意義な内容だったと思います。