賃金を上げられる会社へ
鶴田 修一氏 (株)鶴田工業所
古田 伸祐氏 (有)城西
後藤 伸氏 (株)リクラス

共同求人委員会と労務労働委員会の合同委員会が、「最賃1500円時代を見据え、賃金を上げられる会社へ」をテーマに、30名の参加で開催されました。最低賃金や初任給が上昇するなか、中小企業が社員の生活を守り、採用を継続しながら、どのように賃金を引き上げていくのか。経営の根幹に関わる課題について各社の今後の対応を議論しました。
初任給だけでよいのか
はじめに鶴田修一共同求人委員長が大卒初任給の状況を報告しました。最低賃金が時給1500円になれば、月給は25万円程度になり、中小企業には大きな負担であるが、この水準に達しなければ、学生から就職先として選ばれなくなる可能性があることを指摘しました。反面、新入社員の給与を上げれば既存社員から不満の声が出されるため、若手と中堅社員の給与が逆転しないよう、会社全体の賃金カーブを見直す必要があることを強調しました。
社員の納得と理解
次に古田伸祐労務労働委員長が、夏季賞与調査について報告しました。平均支給額は3年連続で増加傾向となっているが、原材料費、人件費、社会保険料などの上昇によって、上積みが難しい中小企業の実情を解説。特に社会保険料の負担を重大な課題と捉え、企業負担が増し経営を圧迫していると指摘しました。また、賞与の一部を賃金へ移す企業も散見されます。古田氏は、社員の不公平感を払拭して合意を得るには制度の変更を丁寧に説明し、対話を重ねることが欠かせないと強調しました。
賃金を上げる難しさ
事例報告では、リクラスの後藤伸氏より自社の現状と賃金を上げる難しさや課題が語られました。同社では残業削減のため管理職へ仕事が集中しており、社員の残業の事前申請ルールも形骸化しているといいます。賃上げの原資を創出するため、時間当たりの生産性を向上させ、限られた時間で付加価値を高める必要があります。そして、業務効率化の成果を賃金や休日として社員に還元していくことを目指しています。
最後に古田委員長より、賃上げに向けた経営戦略を立案し、社員の生活と会社の存続を両立することが中小企業に求められる責任である、とのまとめがありました。









