活動報告

第15期役員研修大学 第9講座(1月19日)

同友会らしい例会・グループ会

馬場 愼一郎氏  データライン(株)

「先人の追体験が課題解決の近道」と馬場氏

「先人の追体験が課題解決の近道」と馬場氏

先人の来た道を追体験

今回の役員研修大学では、役員育成担当理事の馬場愼一郎氏に「同友会らしい例会・グループ会」とのテーマで報告いただきました。

馬場氏はまず「ほっとした気分でいつもの仲間に会う」よりも、「参加者全てから多くを学び取る」という気概。そして、報告内容をそのまま鵜呑みにするのではなく、自分なりに考え、自問自答しながら徐々に理解していくこと。いわば「信頼しながらも疑問を持って自問自答する」という姿勢が提案されました。

同友会で示されていることは多くの先人の経験から生まれたものであり、正しいことであると馬場氏は話します。しかし、労使見解の作成経過の様に、真摯に考え抜いた結果たどり着いた答えと、ただ与えられただけの答えでは、理解や今後の実践に雲泥の差があることは、間違いないといいます。先人のたどった道を追体験すること、つまり経営者が社内に提起し、社員と試行錯誤する、その過程や結果を常に会や自社の理念と照らし合わせるという意識的な実践が、遠まわりのようでも、課題解決の近道だと強調しました。

「特効薬」を求めない

また、自社の問題を解決してくれる特効薬、つまり「良い話」を求めていないかと、馬場氏は警鐘を鳴らします。人は、耳当たりの良い言葉ばかりを聞きがちですが、個々の報告が自社の課題解決に合致するのは大変稀です。

参加側は、どんな報告からでも学び取ろうとする姿勢。報告側は、動員や接遇といった見栄えを気にせず、グループ会などで出た経営課題を率直に拾い上げる力。これらが大切なのではないか、と報告をまとめました。

馬場氏が身を置く印刷業界は、毎年何十社も消滅し、需要も下がり続けているなど、厳しい経営環境にあります。こうした中、参加側、報告側にかかわらず、意識しながら同友会で学んだ結果、「これまでと全く異なった指針がようやくできた」と語る馬場氏から、あるべき姿が感じられる講座でした。